Description of a work (作品の解説)
2008/06/19掲載
Work figure (作品図)
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ドラクロワ礼賛(ドラクロワへのオマージュ)


(Hommage à Delacroix) 1864年
160×250cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

19世紀のフランス画壇で活躍した画家アンリ・ファンタン=ラトゥールを代表する作品のひとつ『ドラクロワ礼賛(ドラクロワへのオマージュ)』。本作はファンタン=ラトゥールが、フランス・ロマン主義最大の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワへの礼賛を表したオマージュ(敬意・賛辞)的な要素の強い作品であると共に、ファンタン=ラトゥール同様、ドラクロワを信望していた当時の若い芸術家や批評家たちの集団肖像画でもある。画面左側には、前列に左から真横を向いた批評家デュランティと、白いシャツを着た画家(アンリ・ファンタン=ラトゥール)の自画像、そして画家の良き友人でもあった主に英国で活躍したアメリカ人画家ジェームズ=アボット=マクニール・ホイッスラーの立ち姿が、後列にはコルディエールと画商ルグロの姿が確認できる。画面右側前列には(左から)腕を組みながら座る批評家シャンフルーリと、19世紀のフランスを代表する詩人シャルル・ボードレールが、後列には印象派の先駆者エドゥアール・マネと、当時の人気版画家ブラックモンとバルロワの姿が描かれている。そして画面中央には(本作に)描かれる若き芸術家や批評家らが称賛していたドラクロワの肖像画が掲げられるように配されている(詳細は『ドラクロワ礼賛』人物配置図を参照)。伝統的な絵画の表現手法を踏襲した正確な形体描写による写実的表現によって描かれる人物の殆どが観る者へと視線を向けており、彼ら、そしてファンタン=ラトゥール本人のドラクロワへの真摯な態度が顕著に感じられる。ドラクロワの色彩表現に特徴を示す絵画様式は当時、サロンの第一線で活躍していたフランスの画家にも広がっていたが、クロード・モネルノワールなど次世代の代表的な画家となってゆくバティニョール派(後の印象派)の画家たちに決定的な影響を与えた。

関連:『ドラクロワ礼賛』人物配置図


【全体図】
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画面中央で掲げられるドラクロワの肖像画。本作は画家がロマン主義最大の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワへの礼賛を表したオマージュ(敬意・賛辞)的な要素の強い作品であると共に、ファンタン=ラトゥール同様、ドラクロワを信望していた当時の若い芸術家や批評家たちの集団肖像画でもある。



【掲げられるドラクロワの肖像画】
ホイッスラーの真摯な眼差し。画面左側には、前列に左から真横を向いた批評家デュランティと、白いシャツを着た画家(ファンタン=ラトゥール)の自画像、そして画家の良き友人でもあった主に英国で活躍したアメリカ人画家ジェームズ=アボット=マクニール・ホイッスラーの立ち姿が配されている。



ホイッスラーの真摯な眼差し】
印象派の先駆者エドゥアール・マネと、当時の人気版画家ブラックモンの姿。画面右側前列には(左から)腕を組みながら座る批評家シャンフルーリと、19世紀のフランスを代表する詩人シャルル・ボードレールが、後列には印象派の先駆者マネと、当時の人気版画家ブラックモンとバルロワの姿が描かれている。



マネと版画家ブラックモンの姿】
白いシャツを身に着けた画家(アンリ・ファンタン=ラトゥール)の自画像。伝統的な絵画の表現手法を踏襲した正確な形体描写による写実的表現によって描かれる人物の殆どが観る者へと視線を向けており、彼ら、そしてファンタン=ラトゥール本人のドラクロワへの真摯な態度が顕著に感じられる。



【白いシャツを身に着けた画家の自画像】

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