Introduction of an artist(アーティスト紹介)
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アントニオ・ヴィヴァリーニ Antonio Vivarini
1418-1484 | イタリア | 国際ゴシック・初期ルネサンス




ベッリーニ家とならび称された、15世紀のヴェネツィア絵画における二大流派のひとつヴィヴァリーニ家の始祖。明瞭な色調や温雅な線描と特徴とし、国際ゴシック様式の華麗な装飾性に富む金色を用いた壮麗な多翼祭壇画を多数手がけるなど、ムラノ島を拠点にパトヴァ、ボローニャ、ヴェネツィア等で精力的に活動をおこなう。当時、ムラーノ派と呼ばれた大規模な工房を構え、義兄弟ジョヴァンニ・ダレマーニャや家具職人らと密接に関わり共作として重要な注文を受けるも、パトヴァでのアンドレア・マンテーニャの台頭によってアントニオ・ヴィヴァリーニの様式は時代遅れとなる。また1450年に義兄弟ジョヴァンニ・ダレマーニャが没すると、実弟バルトロメオ・ヴィヴァリーニや、息子アルヴィーゼ・ヴィヴァリーニと共同で作品を手がけた。

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バルトロメオ・ヴィヴァリーニ Bartolomeo Vivarini
1430-1491以降 | イタリア | 国際ゴシック・初期ルネサンス




ヴィヴァリーニ家の始祖アントニオ・ヴィヴァリーニの実弟。10歳以上年下であったバルトロメオは長く工房で助手として働き、始祖アントニオ・ヴィヴァリーニの引退後は固定されたポーズや透明感のある光彩表現、明瞭な輪郭線による単純な構図などマンテーニャの影響を強く感じさせる独自の様式を発展させ、ベルガモやヴェネツィア内陸部で成功を収めた。


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アルヴィーゼ・ヴィヴァリーニ Alvise Vivarini
1442-1503 | イタリア | 初期〜盛期ルネサンス




ヴィヴァリーニ家の始祖アントニオ・ヴィヴァリーニの息子。長く叔父にあたるバルトロメオの助手を努めながら、ヴェネツィア派の確立者ジョヴァンニ・ベッリーニアントネッロ・ダ・メッシーナの新技法を取り入れ、遠近法による壮大な空間と、ヴィヴァリーニ一族伝統の透明感を含む光彩表現や明瞭な輪郭線による線描との融合をおこなった。
Description of a work (作品の解説)
Work figure (作品図)
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サンタトニオ・アバーテ多翼祭壇画

 1464年頃
(Polittico di sant'Antonio Abate)
105×30cm | テンペラ・板 | ヴァティカン宮美術館 絵画館
※アントニオ・ヴィヴァリーニ作

ヴィヴァリーニ一族の始祖アントニオ・ヴィヴァリーニ円熟期を代表する傑作『サンタトニオ・アバーテ多翼祭壇画』。本作は磔刑に処され死せる主イエスを上段中央に、下段中央に彩色された浮き彫りの聖アントニウスが配されている多翼祭壇画の形式が取られており、ヴィヴァリーニ様式の特徴である明瞭な色調や温雅な線描による、国際ゴシック様式の華麗な装飾性に富んだ金色を用いる壮麗な表現がなされており、ヴィヴァリーニ一族の始祖アントニオ・ヴィヴァリーニ円熟期を代表する傑作として名高い本作は、当時アントニオが最も得意としていた上下段に主聖人を配した多翼祭壇画の形式が取られている。ヴィヴァリーニ様式の特徴であるこの表現はベッリーニ家とならび、ヴェネツィア絵画における二大流派のひとつとして名声を博した。また本作の制作後、アントニオ・ヴィヴァリーニは第一線を退き、実弟バルトロメオ・ヴィヴァリーニ等へ立場を譲ったと当時の文献に残されている。

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【全体図】
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聖会話

 (Sacra conversazione) 1480年頃
175×196cm | テンペラ・板 | アカデミア美術館(ヴェネツィア)
※アルヴィーゼ・ヴィヴァリーニ作

ヴィヴァリーニ家の始祖アントニオの息子アルヴィーゼ・ヴィヴァリーニ随一の代表作『聖会話』。父アントニオが確立したヴィヴァリーニ家独特の明瞭な色調や温雅な線描による透明感を感じさせる光彩表現とヴェネツィア派の確立者ジョヴァンニ・ベッリーニからの影響を強く感じさせる情緒溢れる柔軟性に満ちた様式を融合させ、統一感を保ちながら壮大な画面構成による独自の画風でヴィヴァリーニ一族の伝統を更新させた。玉座に鎮座する聖母マリアと祝福のポーズを取る幼子イエスを中心に聖ドミニクスや聖フランチェスコなどの諸聖人を配した極めて伝統的な聖会話の構図を用いながらも、その表現はヴェネツェア派の確立者ジョヴァンニ・ベッリーニの影響が色濃く反映されていることから、アルヴィーゼ・ヴィヴァリーニの画風形成を研究する資料的価値としても特に重要視されている作品のひとつである。

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