Description of a work (作品の解説)
2009/03/12掲載
Work figure (作品図)
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揺りかごの中のジャン・モネ


(Jean Monet dans son berceau) 1867年 | 116.2×88.8cm
油彩・画布 | ワシントン・ナショナル・ギャラリー

19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの画家であり、印象派最大の巨匠のひとりでもあるクロード・モネ初期の代表作『揺りかごの中のジャン・モネ』。本作はモネと、当時恋人(未婚)関係にあったカミーユ・ドンシューとの間に生まれた息子ジャンを描いた作品である。当時、サロンでの落選もあり経済的困窮が続いていたモネは、身篭っていたカミーユをパリに残し、自身は家族と共にサン=タドレスで暮らしていたが、息子ジャンの誕生をきっかけに一時的ではあるがパリへと戻っていたことが知られている。本作はおそらくその時に制作された作品であると推測されており、画面中央に描かれた生まれたばかりの息子ジャンの無垢な姿には、我が子への強い関心を見出すことができる。絵画作品として本作に注目すると、本作には明らかに印象派の先駆的存在エドゥアール・マネの影響を見出すことができ、特に高い視点からの平面的な構成要素の描写や、花柄のカーテンや乳母の帽子などに見られる大胆な筆触、そして幼子に付き添う乳母の身体の途中で切られた構図展開などは、その最も顕著な例としてしばしば指摘されている。さらに本作の大胆な構図には二本の浮世絵からの影響も有力視されている。なお本作に描かれる揺りかごのとなりの乳母については、(本作を手がけた3年後にモネの正式な妻となる)カミーユとする説の他、カミーユ・ピサロの恋人ジュリー・ヴェリー(当時、カミーユ宅の近所に住んでいた)とする説が唱えられている。


【全体図】
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生まれたばかりの息子ジャンの姿。本作はモネと、当時恋人関係にあったカミーユ・ドンシューとの間に生まれた息子ジャンを描いた作品で、画面中央に描かれた生まれたばかりの息子ジャンの無垢な姿には、我が子への強い関心を見出すことができる。



【生まれたばかりの息子ジャンの姿】
赤子に寄り添う乳母の姿。本作には明らかに印象派の先駆的存在エドゥアール・マネの影響を見出すことができ、特に高い視点からの平面的な構成要素の描写や、花柄のカーテンや乳母の帽子などに見られる大胆な筆触、そして幼子に付き添う乳母の身体の途中で切られた構図展開などは、その最も顕著な例としてしばしば指摘されている。



【赤子に寄り添う乳母の姿】
画面手前に配される鮮やかな黄色の風車。当時、サロンでの落選もあり経済的困窮が続いていたモネは、身篭っていたカミーユをパリに残し、自身は家族と共にサン=タドレスで暮らしていたが、息子ジャンの誕生をきっかけに一時的ではあるがパリへと戻っていたことが知られている。



【鮮やかな黄色の風車】

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