Description of a work (作品の解説)
2009/08/07掲載
Work figure (作品図)
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こんにちは、ゴーギャンさん(今日は、ゴーガンさん)


(Bonjour monsieur Gauguin) 1889年
113×92cm | 油彩・画布 | プラハ国立美術館

近代絵画様式の確立者のひとりポール・ゴーギャンの注目すべき作品のひとつ『こんにちは、ゴーギャンさん(今日は、ゴーガンさん)』。本作はアルル滞在期中、1888年12月にフィンセント・ファン・ゴッホと共にモンペリエのファーブル美術館で閲覧した写実主義の巨匠ギュスターヴ・クールベの代表作『出会い、こんにちはクールベさん』に感銘を受け制作された作品である。原作との図像的類似点は殆ど見出せない本作では、画面中央にゴーギャン自身が、画面右側に民族的な衣服を身に着けた人物画ひとり配されている。両者の間には木製の柵が描き込まれているほか、大雲が立ち込める暗い空と色鮮やかで豊潤な大地の色彩は、観る者を本作の独特の世界観へと強く惹きつける。本作で最も注目すべき点は画題そのものの意味的類似性にある。原図である『出会い、こんにちはクールベさん』ではクールベ自身が当時の美術界における先駆者(写実主義者)として意味付け描かれており、本作でゴーギャンは己の姿を美術界の先駆者(又は芸術への殉教者)として描き込んでいる。さらにこの傾向は同年に制作された『黄色いキリスト』や『オリーブ山のキリスト(自画像)』で一層顕著に示されることになる。

関連:クールベ作 『出会い、こんにちはクールベさん』


【全体図】
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画面中央に配されるゴーギャンの姿。本作はアルル滞在期中、1888年12月にフィンセント・ファン・ゴッホと共にモンペリエのファーブル美術館で閲覧した写実主義の巨匠ギュスターヴ・クールベの代表作『出会い、こんにちはクールベさん』に感銘を受け制作された作品である。



【画面中央に配されるゴーギャンの姿】
ゴーギャンに挨拶をする人物。原作との図像的類似点は殆ど見出せない本作では、画面中央にゴーギャン自身が、画面右側に民族的な衣服を身に着けた人物画ひとり配されている。両者の間には木製の柵が描き込まれているほか、大雲が立ち込める暗い空と色鮮やかで豊潤な大地の色彩は、観る者を本作の独特の世界観へと強く惹きつける。



【ゴーギャンに挨拶をする人物】
豊潤な色彩と単純化された形体。原図である『出会い、こんにちはクールベさん』ではクールベ自身が当時の美術界における先駆者(写実主義者)として意味付け描かれており、本作でゴーギャンは己の姿を美術界の先駆者(又は芸術への殉教者)として描き込んでいる。



【豊潤な色彩と単純化された形体】

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