Description of a work (作品の解説)
2007/08/02掲載
Work figure (作品図)
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牡丹と黒人の女性

 (La négresse aux pivoines) 1870年
60×75cm | 油彩・画布 | ファーブル美術館(モンペリエ)

初期印象派の画家フレデリック・バジール晩年の代表的作品のひとつ『牡丹と黒人の女性』。本作は黒人の女性が机上で花瓶に花を活ける姿を描いた風俗画的作品であるが、アンリ・ファンタン=ラトゥールなどアカデミックなサロン絵画様式に近い、細密に描き込まれた花の静物という伝統的な古典的画題に日常の場面を組み合わせた画題構成が大きな特徴のひとつで、このような画題の構成は写実主義の巨匠ギュスターヴ・クールベも手がけているが、本作においては1868年以降の画家の作品にみられるアカデミー絵画への回帰の傾向を示した最も良例の作品のひとつとも言える。バジールは本作を手がける少し前に同画題の作品『牡丹と黒人女性(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)』を制作しているが、この最初のヴァージョンと比較してみると、花を活けるモデルの黒人女性の仕草や視線が、より自然な動作的印象を(本作を)観る者に与えるように考慮して描かれていることが分かる。また研究者や美術評論家からは、黒人の女性への取り組み方や画題(主題)選定に、巨匠エドゥアール・マネが1865年のサロンに出品しスキャンダルを巻き起こした問題作『オランピア』への思想的考察と引用が指摘されている。己の仕事である花活けに没頭する女性の、力強く動きのある筆触による動作的表情の豊かな表現や、画家の高度な力量を感じさせる赤、白、青、黄など色とりどりの花や蒼味がかった光沢のある花瓶の繊細な形状描写など、本作はひとつの絵画としての完成度も高く、見所も多い。

関連:ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵『牡丹と黒人女性』


【全体図】
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花活けに没頭する黒人の女性。本作は黒人の女性が机上で花瓶に花を活ける姿を描いた風俗画的作品で、1868年以降の画家の作品にみられるアカデミー絵画への回帰の傾向を示した最も良例の作品のひとつとも言える。



【花活けに没頭する黒人の女性】
画家の高度な力量を感じさせる赤、白、青、黄など色とりどりの花の描写。研究者や美術評論家からは、黒人の女性への取り組み方や画題(主題)選定に、巨匠エドゥアール・マネが1865年のサロンに出品しスキャンダルを巻き起こした問題作『オランピア』への思想的考察と引用が指摘されている。



【色とりどりの花の高度な描写】
光沢のある花瓶の繊細な形状描写。バジールは本作を手がける少し前に同画題の作品『牡丹と黒人女性』を制作しているが、この最初のヴァージョンと比較してみると、花を活けるモデルの黒人女性の仕草や視線が、より自然な動作的印象を(本作を)観る者に与えるように考慮して描かれていることが分かる。



【光沢のある花瓶の繊細な形状描写】

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