Description of a work (作品の解説)
2010/04/28掲載
Work figure (作品図)
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ポール・ゴーガンの肖像(ポール・ゴーギャンの肖像)


(Portrait de Paul Gauguin) 1903-1906年頃
66×54.5cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

フランス象徴主義の大家オディロン・ルドンが手がけた象徴的肖像画作品のひとつ『ポール・ゴーガンの肖像(ポール・ゴーギャンの肖像)』。1913年に現代欧州芸術を米国へ紹介するために開催された国際現代美術展(アーモリ・ショウ)への出品作としても知られる本作は、ルドンが評価し、また敬念も抱いていた後期印象派の巨匠≪ポール・ゴーギャン≫が1903年に死去したという訃報を受けて制作されたゴーギャンの肖像画作品である。ルドンとゴーギャンは1886年に開催された最後の印象派展≪第8回印象派展≫で知り合って以来、画家として友好的な交友関係を結んでいた間柄であり、本作にはルドンのゴーギャンに対する深い哀悼と画家としての神聖化が示されている。画面中央に描かれるゴーギャンの横顔は僅かに顔面部分に色彩が用いられる他、大部分で暗い黒色を基調とした色彩が用いられており、ルドン自身本作を「黒いプロフィール」と呼称していたと伝えられている。あえて細部を描写せず色彩的抽象化をおこなうことによって画家としてのゴーギャンの人間的側面を除外し、さらに周囲へ色彩豊かな花々を描き込むことによって、画家としてのゴーギャンの神格性を強調させている。この神格化は自らの芸術(の源泉、典拠)を求めてフランス国内から南国タヒチへと旅立ったゴーギャンの芸術に対する飽くなき探究心と行動力への賞賛と敬意の表現として解釈することができる。


【全体図】
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暗い色彩が際立つゴーギャンの横顔。1913年に現代欧州芸術を米国へ紹介するために開催された国際現代美術展(アーモリ・ショウ)への出品作としても知られる本作は、ルドンが評価し、また敬念も抱いていた後期印象派の巨匠≪ポール・ゴーギャン≫が1903年に死去したという訃報を受けて制作されたゴーギャンの肖像画作品である。



【暗い色彩が際立つゴーギャンの横顔】
ゴーギャンの周囲に配される花々。あえて細部を描写せず色彩的抽象化をおこなうことによって画家としてのゴーギャンの人間的側面を除外し、さらに周囲へ色彩豊かな花々を描き込むことによって、画家としてのゴーギャンの神格性を強調させている。



【ゴーギャンの周囲に配される花々】
黒褐色のゴーギャンと対比する花の色彩。ルドンとゴーギャンは1886年に開催された最後の印象派展≪第8回印象派展≫で知り合って以来、画家として友好的な交友関係を結んでいた間柄であり、本作にはルドンのゴーギャンに対する深い哀悼と画家としての神聖化が示されている。



【ゴーギャンと対比する花の色彩】

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