Description of a work (作品の解説)
2008/06/25掲載
Work figure (作品図)
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愛の森のマドレーヌ(ボワ・ダムールのマドレーヌ)


(Madeleine au Bois d'Amour) 1888年
138×163cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

後期印象派の巨匠ポール・ゴーギャンと共に総合主義を創始した偉大なるフランスの画家エミール・ベルナール随一の代表作『愛の森のマドレーヌ(ボワ・ダムールのマドレーヌ)』。本作は1888年の8月にブルターニュ地方の港町カンペール近郊アヴェン河畔の町ポン=タヴェンへ母と共に訪れていた画家の妹マドレーヌをモデルに、愛の森(ボワ・ダムール)と呼ばれたアヴェン河沿いの美しい森の中で横たわる女性を描いた作品である。画面下部には当時17歳の妹マドレーヌが片腕を頭に添えながら愛の森で仰向けに横たわる姿が配されている。敬虔なカトリック教徒であった妹マドレーヌは他の画家たちからも好意を寄せられるほどの美貌の持ち主であり、本作に描かれる妹マドレーヌからもその美しさや芸術に対する深い理解、確固たる精神性などの雰囲気が伝わってくる。このまどろむ様に横たわる妹マドレーヌの表情や全体的な構図展開にはシャトル大聖堂の横たわる聖母や伝統的な絵画のほか、新印象派の創始者ジョルジュ・スーラ最初の傑作『アニエールの水浴』からの影響が指摘されている。また表現手法の点においても、全体的には写実性を感じないわけでもないが、太く明確な輪郭線によって囲まれる妹マドレーヌの姿態を始め、愛の森の木々の平面的な表現、やや印象派的な様式的特徴を感じさせる遠景の水面の描写、質感表現を無視し、色そのものの効果を最も重要視した色彩的取り組みなど総合主義(サンテティスム)的特長は本作においても存分に感じることができる。


【全体図】
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愛の森に横たわる画家の妹マドレーヌ。本作は1888年の8月にブルターニュ地方の港町カンペール近郊アヴェン河畔の町ポン=タヴェンへ母と共に訪れていた画家の妹マドレーヌをモデルに、愛の森(ボワ・ダムール)と呼ばれたアヴェン河沿いの美しい森の中で横たわる女性を描いた作品である。



【愛の森に横たわる画家の妹マドレーヌ】
やや印象派的な様式的特徴を感じさせる遠景の水面の描写。敬虔なカトリック教徒であった妹マドレーヌは他の画家たちからも好意を寄せられるほどの美貌の持ち主であり、本作に描かれる妹マドレーヌからもその美しさや芸術に対する深い理解、確固たる精神性などの雰囲気が伝わってくる。



【印象派的な様式的特徴を感じる水面】
色そのものの効果を最も重要視した色彩的取り組み。まどろむ様に横たわる妹マドレーヌの表情や全体的な構図展開にはシャトル大聖堂の横たわる聖母や伝統的な絵画のほか、新印象派の創始者ジョルジュ・スーラ最初の傑作『アニエールの水浴』からの影響が指摘されている。



【色そのものの効果を重要視した色彩】

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