Description of a work (作品の解説)
2004/09/02掲載
Work figure (作品図)
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干し草車(風景−昼)

 (The Hay-Wain) 1821年
130×185cm | 油彩・画布 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー

イギリスを代表する風景画家ジョン・コンスタブル随一の代表作『干し草車』。制作当初、英国(1821年のロイヤル・アカデミー主催の展示会)では評価されていなかったものの、1824年のパリのサロンに出展された際には高い評価を受け金メダルを獲得した本作に描かれるのは、画家の故郷イースト・バーゴルトで干し草車を引く水牛と農夫らがいる風景である。一見、何の変哲もない風景画の様相を呈しているが、本作には当時のイギリスにおける近代化へのアンチテーゼ的な意味合いが含まれていると解釈されている。コンスタブル独特の速筆的な筆触によって描かれる本風景の、輝くような光の描写や、のどかで田舎的な雰囲気の表現は、観る者に絵画そのものが放つ美しさと共に、郷愁すらも感じさせる。これらの表現は画家が憧れ、追い求めていたクロード・ロラン的な理想的美しさの表れでもあり、今でも観る者を惹きつけてやまない。なお本作を見たフランス・ロマン主義の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワも感嘆と賞賛の声をあげている。


【全体図】
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干し草車とそれを引く農牛。本作は制作当初、英国(1821年のロイヤル・アカデミー主催の展示会)では評価されていなかったものの、1824年のパリのサロンに出展された際には高い評価を受け金メダルを獲得した。



【干し草車とそれを引く農牛】
自然豊かな故郷イースト・バーゴルトの情景。コンスタブル独特の速筆的な筆触によって描かれる本風景の、輝くような光の描写や、のどかで田舎的な雰囲気の表現は、観る者に絵画そのものが放つ美しさと共に、郷愁すらも感じさせる。



【自然豊かな故郷の情景】
画面右端に描かれる赤い屋根の農家。一見、何の変哲もない風景画の様相を呈しているが、本作には当時のイギリスにおける近代化へのアンチテーゼ的な意味合いが含まれていると解釈されている。



【画面右端に描かれる赤い屋根の農家】

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