Description of a work (作品の解説)
2010/04/20掲載
Work figure (作品図)
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レカミエ夫人の肖像(マダム・レカミエ)


(Portrait de Madame Récamier) 1805年
225×145cm | 油彩・画布 | カルナヴァレ美術館(パリ)

18世紀フランス新古典主義の画家フランソワ・ジェラールが手がけた肖像画の代表的作例『レカミエ夫人の肖像(マダム・レカミエ)』。本作は18世紀末頃から19世紀中頃までフランス社交界に君臨した最も有名な女性のひとりであった、30歳以上も歳の離れた裕福な銀行家ジャック・レカミエの妻≪ジュリエット・レカミエ(レカミエ夫人)≫を描いた全身肖像画作品である。本作『レカミエ夫人の肖像』は、本来フランス新古典主義における最も偉大な巨匠ジャック=ルイ・ダヴィッドへ依頼されたものの、同氏が多忙によってなかなか制作を進めることができず、痺れを切らしたレカミエ夫人によってダヴィッドの弟子であり、当時肖像画家として確固たる地位を築いていたジェラールへ再依頼という形で制作された作品である(※ダヴィッドによる未完の肖像画『レカミエ夫人の肖像』は現在ルーヴル美術館に所蔵されている)。画面中央より左側へ置かれた質の良い新古典主義様式のソファーへ柔らかく腰掛けるレカミエ夫人は、薄く笑みを浮かべコケティッシュな視線を観る者へと向けている。その輝きを帯びた美しい瞳は当時のフランス社交界随一の花形であった女性に相応しい魅力に溢れている。またレカミエ夫人の古代風髪型は、身に着ける当時流行のウエスト位置の高い新古典主義風の衣服や古代彫刻を思わせる優美な姿態、さらには古代的背景と見事な調和を示しており、レカミエ夫人を包み込むような柔和な光彩表現と共に、新古典主義の時代とその様式を代表する肖像画作品の傑作であることを理解することができる。

関連:ダヴィッド作 『レカミエ夫人の肖像』


【全体図】
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薄い笑みを浮かべるレカミエ夫人。本作は18世紀末頃から19世紀中頃までフランス社交界に君臨した最も有名な女性のひとりであった、30歳以上も歳の離れた裕福な銀行家ジャック・レカミエの妻≪ジュリエット・レカミエ(レカミエ夫人)≫を描いた全身肖像画作品である。



【薄い笑みを浮かべるレカミエ夫人】
脱力的でありがら自然体な姿態。本作は本来ジャック=ルイ・ダヴィッドへ依頼されたものの、同氏が多忙によってなかなか制作を進めることができず、痺れを切らしたレカミエ夫人によってジェラールへ再依頼という形で制作された作品である。



【脱力的でありがら自然体な姿態】
調和的な色彩と光彩表現。古代風髪型を始め、身に着ける当時流行のウエスト位置の高い新古典主義風の衣服や古代彫刻を思わせる優美な姿態は古代的背景と見事な調和を示している。



【調和的な色彩と光彩表現】

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