Description of a work (作品の解説)
2010/01/24掲載
Work figure (作品図)
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レカミエ夫人の肖像


(Portrait de Juliette Récamier) 1800年
174×224cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

新古典主義の巨匠ジャック=ルイ・ダヴィッドによる肖像画の代表的作例のひとつ『レカミエ夫人の肖像』。本作は30歳以上も歳の離れた裕福な銀行家ジャック・レカミエの妻であり、当時の社交界で最も有名な女性のひとりでもあった美しき夫人≪ジュリエット・レカミエ≫の全身像を描いた肖像画作品である。ダヴィッドがあまりに多忙であった為に制作が遅れ、結局未完成のまま画家の手元に生涯残されたとする説が有力視(※肖像画はダヴィッドの弟子フランソワ・ジェラールへと再依頼されている)される本作では、画面中央に長椅子(ベッド)へ背を向けながら横たわりつつ、振り返るレカミエ夫人が当時流行していた古代回顧・古代趣味的なギリシア風の衣服を身に着けた姿で描かれている。ダヴィッドの大きな特徴である非常に緻密な写実的描写により、幾多の文芸者や政治家、そして時の権力者ナポレオン・ボナパルトをも魅了したとされるレカミエ夫人の美しい顔立ちや艶かしい姿態など(夫人)の特徴が客観的な視点でよく描き込まれている。全体的には細部や背景の処理など前記したように未完成である為、絵画としての完成度は、画家の完成作品と比較することはできないものの、本作には未完であるが故の、観る者を惹きつける魅力が備わっている。なお作中の夫人が靴を脱がされた状態で描かれていること(※靴を履いていない描写は貞操の喪失を暗喩する。レカミエ夫人は数多くの恋愛遍歴でも有名であった)にジュリエット・レカミエが大きく失望した為に制作が中断されたとする説も唱えられている。

関連:フランソワ・ジェラール作 『レカミエ夫人の肖像』


【全体図】
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写実的に描写されるレカミエ夫人の表情。本作は30歳以上も歳の離れた裕福な銀行家ジャック・レカミエの妻であり、当時の社交界で最も有名な女性のひとりでもあった美しき夫人≪ジュリエット・レカミエ≫の全身像を描いた肖像画作品である。



【写実的に描写されるレカミエ夫人】
当時流行していた古代趣味に倣う衣服。ダヴィッドの大きな特徴である非常に緻密な写実的描写により、幾多の文芸者や政治家、そして時の権力者ナポレオン・ボナパルトをも魅了したとされるレカミエ夫人の美しい顔立ちや艶かしい姿態など(夫人)の特徴が客観的な視点でよく描き込まれている。



【当時流行していた古代趣味に倣う衣服】
素足で描かれるレカミエ夫人の足下。作中の夫人が靴を脱がされた状態で描かれていること(※靴を履いていない描写は貞操の喪失を暗喩する。レカミエ夫人は数多くの恋愛遍歴でも有名であった)にジュリエット・レカミエが大きく失望した為に制作が中断されたとする説も唱えられている。



【素足で描かれるレカミエ夫人の足下】

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