Description of a work (作品の解説)
2007/06/19掲載
Work figure (作品図)
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白のシンフォニーNo.2 ― 白衣の少女


(Symphony in White. No2: The White Girl) 1864年
76.0×51.0cm | 油彩・画布 | テート・ギャラリー(ロンドン)

印象主義時代に英国のロンドンで活躍した画家ジェームズ=アボット=マクニール・ホイッスラーの代表作のひとつ『白のシンフォニーNo.2 ― 白衣の少女』。本作は画家が2年前の1862年に手がけた≪白のシンフォニー≫作品と同類の名称が付けられているものの、それと比較しホイッスラーが強く関心を示していた日本趣味的要素が描き込まれているのが大きな特徴のひとつである。前作同様、当時、ホイッスラーが同棲していた愛人ジョアンナ・ヒファーナンをモデルに描かれる本作は、英国史において最も繁栄を築いた産業革命時期(ヴィクトリア朝期)に描かれた作品であり、当時好まれたヴィクトリア朝のモティーフを画題としながらも、日本風の団扇や朱色の碗、白磁の壷など東洋的要素が効果的に配されている。ジョアンナ・ヒファーナンが身を包む、品の良い白いモスリン風の衣服は、画家の高度な技術によって透明感や空気感などの質感に迫りつつ、筆触を活かしながら見事に表現している。また衣服の白地に対する効果的な差し色として、画面右下や白磁の壷の右部分に配された桃紫色の花は、ホイッスラーの秀逸な画面構成感覚を示している。

関連:1862年制作 『白のシンフォニーNo.1 ― 白衣の少女』


【全体図】
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メランコリックな表情を浮かべる画家の愛人ジョアンナ・ヒファーナン。本作は画家が2年前の1862年に手がけた≪白のシンフォニー≫作品と同類の名称が付けられているものの、それと比較しホイッスラーが強く関心を示していた日本趣味的要素が描き込まれているのが大きな特徴のひとつである。



【憂鬱そうな表情を浮かべるジョアンナ】
筆触を活かした衣服の質感表現。ジョアンナ・ヒファーナンが身を包む、品の良い白いモスリン風の衣服は、画家の高度な技術によって透明感や空気感などの質感に迫りつつ、筆触を活かしながら見事に表現している。



【筆触を活かした衣服の質感表現】
ホイッスラーが強く関心を示していた日本趣味的要素。前作同様、当時、ホイッスラーが同棲していた愛人ジョアンナ・ヒファーナンをモデルに描かれる本作は、当時好まれたヴィクトリア朝のモティーフを画題としながらも、日本風の団扇や朱色の碗、白磁の壷など東洋的要素が効果的に配されている。



【日本趣味的要素のひとつ、団扇】

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