Description of a work (作品の解説)
2004/09/01掲載
Work figure (作品図)
■ 

ピアノにて(ピアノに向かって)

 (At The Piano) 1858-59年
67×91.6cm | 油彩・画布 | タフト美術館(シンシナティ)

印象主義時代に活躍したアメリカ出身の画家ジェームズ=アボット=マクニール・ホイッスラー最初の大作『ピアノにて(ピアノに向かって)』。本作は画家の姉デボラがピアノを弾く姿と、姉の娘がそれに寄り添い耳をかたむける姿を描いた作品で、画家とその一家が幼い頃から親しんできた音楽趣味がよく示された作品のひとつとして広く知られている。ホイッスラーが1858年のクリスマスにデボラの夫でありホイッスラーの義兄でもあるフランシス・シーモア・ヘイデン宅に滞在した頃に制作し始め、翌年渡ったパリで完成させた本作での平行に配される姉デボラと娘、そして中央のピアノの主要因や、壁に掛けられる絵画、装飾などは画面を安定させ、厳格かつ静謐でありながら、家庭的で穏やかな雰囲気をより堅固なものとさせている。この計算された無駄のない画面構成や静謐な表現は、17世紀のオランダ絵画黄金期の作品、特にヨハネス・フェルメールの作品からの影響が指摘されている。また画家の家族(親類)をモティーフとした画題は、ホイッスラーらが結成した「三人会」のひとりアンリ・ファンタン=ラトゥールも手がけており、その影響も注目すべき点のひとつである。なお本作は1859年のサロンで落選した後、翌年のロンドンでのロイヤル・アカデミー展示会には出品されている。


【全体図】
拡大表示
ピアノを奏でる画家の姉デボラ。本作は画家の姉デボラがピアノを弾く姿と、姉の娘がそれに寄り添い耳をかたむける姿を描いた作品で、画家とその一家が幼い頃から親しんできた音楽趣味がよく示された作品のひとつとして広く知られている。



【ピアノを奏でる画家の姉デボラ】
計算された無駄のない画面構成。これらの表現は、17世紀のオランダ絵画黄金期の作品、特にヨハネス・フェルメールの作品からの影響が指摘されているほか、画家の家族(親類)をモティーフとした画題はアンリ・ファンタン=ラトゥールも手がけており、その影響も注目すべき点のひとつである。



【計算された無駄のない画面構成】
母の演奏に耳をかたむける娘。本作での平行に配される姉デボラと娘、そして中央のピアノの主要因や、壁に掛けられる絵画、装飾などは画面を安定させ、厳格かつ静謐でありながら、家庭的で穏やかな雰囲気をより堅固なものとさせている。



【母の演奏に耳をかたむける娘】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ