Description of a work (作品の解説)
2009/07/22掲載
Work figure (作品図)
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兵士に侮辱されるキリスト(キリストの嘲笑)


(Le Christ insulte par les soldats) 1865年
195×150cm | 油彩・画布 | シカゴ美術研究所

印象派の先駆者エドゥアール・マネを代表する宗教画作品『兵士に侮辱されるキリスト(キリストの嘲笑)』。マネ最大の問題作『オランピア』と共に1865年のサロンへ出品された作品である本作は、新約聖書に記される≪キリストの嘲笑≫を主題に制作された宗教画作品で、画家は本作以外にも『死せるキリストと天使たち(キリストの墓場の天使たち)』など幾つかの宗教画作品を残しているが、本作はその代表的な作例として位置付けられている。画面中央には、一際白い肌が強調された荊の冠を着けられた受難者イエスがほぼ裸体で配されいるが、その視線は父なる神の住まう天上へと向けられている。受難者イエスの周囲にはユダヤ人やローマ兵たちが配され、イエスに侮蔑の言葉や嘲笑を浴びせている。本作で最も注目すべき点は、各登場人物に注力した扱いと、その表現にある。背景を黒一色で統一することで人物以外の要素を除外し観る者の視線を登場人物へと集中させている本作の受難者イエスと三人のユダヤ人やローマ兵たちには宗教的な意識は殆ど見出すことができず、まるで当時マネが描いていた肖像画の人物像がそのまま描き込まれているかのような、ある種の近代的生々しさに溢れている。また構図や構成を観察すると本作には偉大なるルネサンスの先人ティツィアーノの同主題の作品や、ヴァン・ダイクの『茨の冠のキリスト』の影響が随所に感じられるものの、大胆に画布の上へ乗せられる絵の具や、力強さを感じさせる肉厚の筆触などにはマネの確固たる画家としての個性を存分に感じることができる。

関連:『死せるキリストと天使たち(キリストの墓場の天使たち)』


【全体図】
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父なる神の住まう天上へと視線を向ける受難者イエス。マネ最大の問題作『オランピア』と共に1865年のサロンへ出品された作品である本作は、新約聖書に記される≪キリストの嘲笑≫を主題に制作された宗教画作品で、本作は代表的な作例として位置付けられている。



【天上へと視線を向ける受難者イエス】
縄で拘束される受難者イエスの姿。構図や構成を観察すると本作には偉大なるルネサンスの先人ティツィアーノの同主題の作品や、ヴァン・ダイクの『茨の冠のキリスト』の影響が随所に感じられるものの、大胆に画布の上へ乗せられる絵の具や、力強さを感じさせる肉厚の筆触などにはマネの確固たる画家としての個性を存分に感じることができる。



【縄で拘束される受難者イエスの姿】
イエスを嘲笑する人々の生々しい近代性。背景を黒一色で統一することで人物以外の要素を除外し観る者の視線を登場人物へと集中させている本作の受難者イエスと三人のユダヤ人やローマ兵たちには宗教的な意識は殆ど見出すことができず、まるで当時マネが描いていた肖像画の人物像がそのまま描き込まれているかのような、ある種の近代的生々しさに溢れている。



【嘲笑する人々の生々しい近代性】

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