Description of a work (作品の解説)
2008/11/05掲載
Work figure (作品図)
■ 

舞台の2人の踊り子

 (Deux danseuses en scène) 1874年頃
62×46cm | 油彩・画布 | コートールド・コレクション

印象派を代表する大画家エドガー・ドガ随一の傑作『舞台の2人の踊り子』。本作は画家が数多く手がけたバレエの踊り子(バレリーナ)を画題とした作品の中の一点で、本場面が本番公演の最中を描いたものであるか、練習風景の場面であるかは定かではないものの、ドガの卓越した個性的な絵画表現が随所に示されている点は大いに注目すべきものである。やや高い視点から描かれる2人の踊り子は互いに視線を交わし合いながら、バレエの基本的なポーズをとっている。ドガの鋭い観察眼によって感情豊かに描かれるその表情は練習中のようなリラックス的雰囲気を見せているものの、姿態の間接部分など要所要所ではきびきびとした肉体的緊張が感じられる。また主画題となる2人の踊り子を画面中央から右側にかけて配し、左側の空間を大きくとった(そして画面左端には3人目の登場人物となる踊り子の衣装=チュチュが僅かに見えている)奇抜的で独特な構図や空間構成は、日本の浮世絵のような印象さえ観る者に与える。さらに本作に登場する2人の踊り子は、オルセー美術館が所蔵する傑作『舞台のバレエ稽古』や、メトロポリタン美術館が所蔵する『バレエの舞台稽古』にも登場していることも特筆すべき点のひとつである。また画面の中で人物を一際明瞭に照らす人工的な光の都会性や近代性を感じさせる光源処理や、その中で要点的に用いられる色彩の描写手法、背景の荒々しく自由闊達な筆触などもドガの表現的特長として挙げられる。

関連:オルセー美術館所蔵 『舞台のバレエ稽古』
関連:メトロポリタン美術館所蔵 『バレエの舞台稽古』


【全体図】
拡大表示
バレエの基本的なポーズをとる踊り子。本作は画家が数多く手がけたバレエの踊り子(バレリーナ)を画題とした作品の中の一点で、ドガの卓越した個性的な絵画表現が随所に示されている点は大いに注目すべきものである。



【バレエの基本的なポーズをとる踊り子】
肉体的緊張も感じられる間接の動き。主画題となる2人の踊り子を画面中央から右側にかけて配し、左側の空間を大きくとった(そして画面左端には3人目の登場人物となる踊り子の衣装=チュチュが僅かに見えている)奇抜的で独特な構図や空間構成は、日本の浮世絵のような印象さえ観る者に与える。



【肉体的緊張も感じられる間接の動き】
奔放で自由闊達な筆触。画面の中で人物を一際明瞭に照らす人工的な光の都会性や近代性を感じさせる光源処理や、その中で要点的に用いられる色彩の描写手法、背景の荒々しく自由闊達な筆触などもドガの表現的特長として挙げられる。




【奔放で自由闊達な筆触】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ