Description of a work (作品の解説)
2009/02/23掲載
Work figure (作品図)
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女性大水浴図

 (Les Grandes baigneuses) 1900-05年頃
132.5×219cm | 油彩・画布 | バーンズ・コレクション

近代絵画の父と呼ばれる巨匠ポール・セザンヌ代表する作品のひとつ『女性大水浴図』。本作は1900年から1905年頃にかけて連作的に制作された3点の≪女性大水浴図≫の大作の中の1点である。他の≪女性大水浴図≫はそれぞれフィラデルフィア美術館(該当作品)、ロンドン・ナショナル・ギャラリー(該当作品)に所蔵されているが、制作年代や順番については諸説唱えられており、今なお議論が続けられている(※一説ではバーンズ・コレクション版である本作が最初に着手されたとも考えられてる)。本作に描かれる女性大水浴図は他の2作品とは明らかに様子や表現手法が異なっており、そのような点で本作はセザンヌの水浴図作品の中でも特に重要視される作品のひとつとして位置付けられている。画面中央から左右に配される水浴の女性たちは重厚で肉感的に描かれており、そこにはセザンヌの原始的性格への回帰が強く感じられる。また女性たちの姿態も他の2作品と比較すると芝居染みたような印象を受けるほか、やや怪異的なエロティック性も見出すことができる。一般的には構図や構成、水浴図におけるセザンヌの精神的反映においてはフィラデルフィア美術館に所蔵される『女性大水浴図』が最も優れていると考えられているものの、(一部では暴力的とすら表現される)力強く硬質的な裸婦の描写や荒々しく多様性を強く感じさせる色彩表現などは異質的ながら極めて強力な存在感を醸し出すことに成功しており、画面全体から発せられる活き活きとした生命力と共に本作の大きな魅力として観る者の眼を惹きつける。


【全体図】
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明確な輪郭線で描かれるエロティックな裸婦の姿。本作は1900年から1905年頃にかけて連作的に制作された3点の≪女性大水浴図≫の大作の中の1点で制作年代や順番については諸説唱えられており、今なお議論が続けられている。



【明確な輪郭線で描かれる裸婦の姿】
地面に置かれた果物の入る籠。画面中央から左右に配される水浴の女性たちは重厚で肉感的に描かれており、そこにはセザンヌの原始的性格への回帰が強く感じられる。また女性たちの姿態も他の2作品と比較すると芝居染みたような印象を受けるほか、やや怪異的なエロティック性も見出すことができる。



【地面に置かれた果物の入る籠】
荒々しく多様性を強く感じさせる色彩表現。一部では暴力的とすら表現される力強く硬質的な裸婦の描写や荒々しく多様性を強く感じさせる色彩表現などは異質的ながら極めて強力な存在感を本作中で醸し出すことに成功している。



【荒々しく多様性を感じさせる色彩表現】

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