Description of a work (作品の解説)
2008/04/20掲載
Work figure (作品図)
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バルコニーにて


(Au Balcon pendant le Carnaval) 1873-1874年
101×54.6cm | 油彩・画布 | フィラデルフィア美術館

アメリカ出身の女流画家メアリー・カサット初期を代表する作品のひとつ『バルコニーにて』。本作は1872年から73年にかけて滞在したイタリアとスペインでの体験が顕著に表れている本作に描かれるのは、≪バルコニー≫で談笑する男女の姿である。本作にはスペイン滞在時にカサットが熱心に研究したスペイン・バロック絵画の巨匠ディエゴ・ベラスケスムリーリョロマン主義の大画家フランシスコ・デ・ゴヤによる同画題の作品『バルコニーのマハたち』、印象派の先駆者エドゥアール・マネの『バルコニー』、画家と同じくアメリカ出身の画家トマス・イーキンズなどへの高い関心とそこから吸収した成果の結果が示されており、特にゴヤの『バルコニーのマハたち』やマネの『バルコニー』に見られる同時代の現代性に対するカサットの態度を理解するには、本作が最も適していると言える。画面の中で最も高い位置に描かれる(ほぼ背景と同化した)帽子の男は、隣の扇子を右手に持つ白い衣服と首飾りを付けた若い女性に対してあからさまに好意を寄せていることがうかがえる。一方、白い衣服と首飾りの女性も笑みを浮かべ、あたかも挑発するかのような視線を帽子の男へと向けている。このような快楽的な感情性の表現は画家の作品としては非常に珍しく、その点でも本作は(画家の画業を考察する上で)重要視されている。またやや暗く厚塗りされた描写手法を用いて表現される高い写実性や強く明確な光と影による明暗対比、画面左側で下方に視線を向ける赤い衣服の女性と白い衣服の女性の色彩的対比、奥行きの喪失など技術的な面でも、カサットが過去の偉大な巨匠たちから受けた影響の痕跡をうかがい知ることができる。

関連:フランシスコ・デ・ゴヤ作 『バルコニーのマハたち』
関連:エドゥアール・マネ作 『バルコニー』


【全体図】
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背景と同化する帽子の男。本作にはディエゴ・ベラスケスムリーリョフランシスコ・デ・ゴヤによる同画題の作品『バルコニーのマハたち』、エドゥアール・マネの『バルコニー』、画家と同じくアメリカ出身の画家トマス・イーキンズなどへの高い関心とそこから吸収した成果の結果が示されている。



【背景と同化する帽子の男】
挑発的な視線を帽子の男へ向ける若い女性。また帽子の男からも、白い衣服と首飾りを付けた若い女性に対してあからさまに好意を寄せていることがうかがえ、このような快楽的な感情性の表現は画家の作品としては非常に珍しく、その点でも本作は(画家の画業を考察する上で)重要視されている。



【挑発的な視線を男へ向ける若い女性】
バルコニーに乗せられる赤い衣服の両腕。高い写実性や強く明確な光と影による明暗対比、画面左側で下方に視線を向ける赤い衣服の女性と白い衣服の女性の色彩的対比、奥行きの喪失など技術的な面でも、カサットが過去の偉大な巨匠たちから受けた影響の痕跡をうかがい知ることができる。



【バルコニーに乗せられる赤い衣服の腕】

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