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homeページCollection常設展示バロック美術
Introduction of an artist(アーティスト紹介)
画家人物像

クラウディオ・コエーリョ Claudio Coello
1642-1693 | スペイン | バロック マドリッド派

17世紀後半のスペインバロック隆盛期に活躍したマドリッド派を代表する画家。ヴェネツィア派やフランドル絵画から得た古典的表現を用いながら、濃密な色彩描写やダイナミックで湿潤な空間構成、躍動感に溢れた人体の運動性、現実感を強く感じさせる卓越した観察眼によって独自の様式を確立、マドリッドやトレドなど大都市に住む依頼主からの注文を数多く手がける。ポルトガル出身者の金銀細工師であった父と母から1642年に生まれる。画家としてはマドリッド派の先駆的存在であったリシ・フランシスに師事、同氏の紹介で王室コレクションに接し、所蔵されていたヴェネツィア派やフランドル絵画の影響を受ける。画家が手がけた作品内にもその影響が色濃く反映されているほか、巨匠ディエゴ・ベラスケスや前進的な画家であったカレーニョ・デ・ミランダからの影響も指摘されている。また1660年代にローマへ渡航したことも研究によって明らかとなっている。1684年(又は1683年)には王付きの画家へ、1685年(又は1687年)には宮廷画家へ就任し、肖像画や宮殿の装飾などを精力的にこなす。コエーリョの優れた表現は当時の宮廷人や貴族らから多大な支持を集め、同時代を代表する画家として成功した。1693年に死去、享年51歳。


Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説)
【全体図】
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聖アウグスティヌスの勝利 (Triunfo de san Agustin)1664年
271×203cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)

ラテン教父中の最大の神学者・思想家『聖アウグスティヌス』を主題としたスペインバロック マドリッド派を代表する画家コエーリョの傑作。アウグスティヌスは、西暦354年北アフリカに生を受け、西暦384年にイタリア北部の街ミラノに移るが、当初(少なくとも9年間)は異教であるマニ教徒だった。しかし西暦387年にミラノでキリスト教の洗礼を受け、「神の国」「告白録」など重要な著書を残す。本作は元々アルカラ・デ・エナーレスの聖アウグスティヌス会修道院に飾られていた作品。

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フランス王聖ルイ、その他聖人に崇められる聖家族
(Sagrada Familia) 1665-1668年頃
229×249cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)

マドリッド派を代表する画家クラウディオ・コエーリョの傑作『フランス王聖ルイ、その他聖人に崇められる聖家族』。一説には王女マリアーナ・デ・アウストリア付近衛兵ルイス・ファウレースの注文により制作されたと伝えられる本作に描かれるのは、玉座に鎮座する聖母マリアと、聖母に抱かれる幼子イエス、洗礼者聖ヨハネ、聖ヨハネの母である聖エリザベトに聖女、ニ天使、そしてフランス国王聖ルイを配した≪聖会話≫図であるが、その表現は極めてイタリア様式的なアプローチが強い。これはおそらくコエーリョ画家が1660年代におこなったローマ渡航の成果が示されたものだと考えられる。本作でフランス国王聖ルイが手にする剣は、受難者イエスが磔刑に処され、その死を確認する為にわき腹へ刺された槍の暗示だとする説や、ルイ王の十字軍騎士としての象徴とする説など諸説唱えられている。また世俗的な身分の象徴である王冠や杖などが、聖母マリアと幼子イエスを前にし床に置かれていることも本作の解釈において重要な点のひとつである。本作の劇的な運動性や複雑に配される人物、輝くような光の表現、豊潤で鮮やかな色彩による優れた空間構成に画家クラウディオ・コエーリョの個性を強く感じさせるほか、その表現は何れも特筆に値する出来栄えを見せている。なおコエーリョは本作を描くにあたり、大画家ルーベンスの『聖人たちに崇められるキリスト』や、マテオ・セレーソの『聖カタリナの神秘の結婚』に着想を得たと推測されている。

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グズマンの聖ドミニクス 1684-85年頃
(Santa Dominicos de Guzmán)
240×160cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)

17世紀スペインにおいて一大画派であったマドリッド派の巨匠コエーリョの傑作『グズマンの聖ドミニクス』。スペインのカスティリャ地方の貴族出身で聖ドミニコ修道会の創始者でもある、中世以来キリスト教の中で最も人気の高かった聖人≪聖ドミニクス≫の単身像として描かれる本作は、本作と同じくプラド美術館に所蔵される『リマの聖ローサ』の対を成す作品としてマドリッドのロサリオ修道院のために制作された。修道院の壁龕内へ彫られたかのような彫刻的な建築性を感じさせる表現が用いられた本作は、コエーリョが幾多も制作した画家の代表的な主題として知られる≪聖ドミニクス≫を扱う全作品中、最も白眉の出来栄えを見せている。聖ドミニクスはトゥールーズでの異端者(アルビ派)改宗や聖ドミニコ修道会の創始、ロザリオを使用した祈祷の確立など数多くの功績を残した、キリスト教の中でも聖フランチェスコと共に特に崇拝される聖人のひとりで、冠上に剃られた頭髪や有髭、苦行と清浄の象徴とされる黒外套と白衣など容姿のほか、純潔を象徴する白百合の杖や書物、ロザリオ、生母が夢の中で見たとされる口に松明をくわえる黒白まだらの犬など本作には聖人のアトリビュートが数多く示されている。

関連:対画『リマの聖ローサ』

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リマの聖ローサ (Santa Rose de Lima) 1684-85年頃
240×160cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)

17世紀スペインにおいて一大画派であったマドリッド派の巨匠コエーリョの傑作『リマの聖ローサ』。新大陸最初の聖女でペルーのリマ出身である聖ドミニコ会第三会女≪ローサ≫の単身像として描かれる本作は、本作と同じくプラド美術館に所蔵される『グズマンの聖ドミニクス』の対を成す作品としてマドリッドのロサリオ修道院のために制作された。『グズマンの聖ドミニクス』同様、修道院の壁龕内へ彫られたかのような彫刻的な建築性を感じさせる表現が用いられる本作には、天使によって冠される茨の冠(薔薇の冠)や苦行と清浄の象徴とされる黒外套と白衣から成る聖ドミニコ会服、右手の薔薇の束、画面下部の天使が手にする書物中に記される「我が心のローサ、汝は我の許婚、主よ、私はあなたのはした女」の文言など、この聖女を示すアトリビュートが明確に示されている。マドリッドのロサリオ修道院のために制作された後、サルバティエラ伯ホセ・フランシスコ・サルミエントが旧蔵し、ラ・トリニダート美術館を経由してプラド美術館に入った本作に描かれる聖女聖ローサは1586年から1617年の間に活躍した新大陸最初の聖女であり、本作が制作される数年前に教皇クレメンスX世によって推挙され聖列されるが、その際、人々が新大陸出身の人間の聖性は天から薔薇が振ってきても信じられないと言うと、聖列が認められるまで聖都ヴァティカンに天上から薔薇が降り続いたとの逸話が残されている。

関連:対画『グズマンの聖ドミニクス』

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聖家族 (Sagrada Familia) 1685-1690年
248×169cm | 油彩・画布 | ブダペスト国立美術館

マドリッド派の巨匠コエーリョ後期の作風が良く示される代表的な作品のひとつ『聖家族』。本作の主題は父なる神の子イエスを中心に、スペインで信仰の深かった聖母マリアを左に、マリアの歳の離れた夫で、14歳のマリアと結婚した時に手にしていたとされる木の杖を持ったヨセフを右に配した≪聖家族≫で、天上にはイエスらを祝福する父なる神と、神の一位である白い鳥の姿の聖霊が配されている。本作では、コエーリョの大きな特徴である豊かで濃密な色彩と、ベラスケスの影響と考えられる震振の感じられる筆触による登場人物の描写や輝かしい光彩の表現に、マドリッド的なバロックの特徴が顕著に示されており、急速に力を伸ばしていった画家の優れた力量が窺える。また本作の最下部左にコエーリョ本人による書名が残されている。

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