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homeページCollection常設展示バロック美術
Introduction of an artist(アーティスト紹介)
画家人物像

アンニーバレ・カラッチ Annibale Carracci
1560-1609 | イタリア | バロック・ボローニャ派

17世紀に活躍したボローニャ派の巨匠。自然的でありながら大胆な構図と躍動感に富んだ人体表現によって、マニエリスムとの離別を果たした革新者となる。またガレリア・ファルネーゼ天井装飾画で、後のイタリアバロックの大きな特徴となる古典主義的天井画の到来を告げる。実兄アゴスティーノ・カラッチ、従兄弟ルドヴィコ・カラッチと共にカラッチ一族として、共同制作による数々の傑作を残すほか、一族によって設立されたアカデミア・ディ・デジデロージで、古典的様式と革新的様式の教育をおこない、グイド・レーニドメニキーノなどバロック古典主義における重要な画家たちを輩出した。宗教画、風景画の他、風俗画や肖像画など活躍は多岐にわたり、古典主義的美学の基礎を築いたアンニーバレ・カラッチは一族の中でも特に優れており、国内のみならずフランスなど諸外国でも高い評価を得ていた。


Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説)
【全体図】
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豆を食べる人 (Mangiafagioli) 1583-1584年頃
57×68cm | フレスコ | コロンナ美術館(ローマ)

アンニーバレ・カラッチが描く風俗画の最も知られる代表作『豆を食べる人』。本作の最も大きな特徴は、印象派的表現を感じされる早く荒々しいタッチによる場面描写で、この豆を食べる農夫の素朴さと生活感を見事に表現している。とはいえその表現が画家の未熟さを示しているわけではなく、写実的なワイングラスの描写や人物や部屋に射し込む自然光の捉え方など随所に高度なテクニックを用いて描いている。また本作を始めとする画家が残した風俗画の代表作の殆どが初期の作品となる。

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【全体図】
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キリストの洗礼 (Battesimo di Cristo) 1585年
383×225cm | 油彩・画布 | サン・グレゴリオ聖堂

イタリアバロックの模範的画家アンニーバレ・カラッチを代表する宗教作『キリストの洗礼』。ボローニャのサン・グレゴリオ聖堂が所蔵する本作の主題は、青年となったイエスが、旧約聖書における最後の預言者であり、洗礼者でもある聖ヨハネより洗礼を受ける場面≪キリストの洗礼≫で、アンニーバレ・カラッチの古典主義的美学による人体構成(ポーズ)と、光に満ちた風景描写によって、雄大で詩情的な空間と躍動感を表現している。

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【全体図】
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聖カタリナの神秘の結婚 1586-1587年頃
(Nozze mistiche di santa Caterina)
162×118cm | 油彩・画布 | カポディモンテ国立絵画館

アンニーバレ・カラッチの、古典的様式と革新的様式が示される名作『聖カタリナの神秘の結婚』。一時期は名門ファルネーゼ家に所蔵されていたことが来歴に記される本作の主題は、4世紀アレクサンドリアの聖女で、異教の学者らをを論破し改宗させた他、聖痕を受けたとされる聖カタリナの神秘的婚姻体験を描いた≪聖カタリナの神秘の結婚≫で、甘美さと優雅さを併せもつ巨匠コレッジョの作例に倣った古典的様式の研究と、大胆な構図と運動性による革新的様式が見事に融合をみせている。

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【漁猟:全体図】
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【狩猟:全体図】
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漁猟・狩猟 1587-1588年頃
(Paesaggio con scena di caccia / Paesaggio con scena di pesca)
各136×253cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

アンニーバレ・カラッチが理想に描く風景画の代表的な作例『漁猟・狩猟』。本作は実際の風景を描写した作品ではなく、当時から流行を始める理想的風景画として扉の上飾りの対画として描かれた作品で、所有者が数回変わった後、枢機卿カミッロ・パンフィーニからルイ十四世に贈られルーヴル美術館に所蔵されることになった。アンニーバレ・カラッチの現存する風景画作品の中では、初期〜中期頃に描かれたと推測される作品である本作は、どちらも当時の風俗や生活習慣が生き生きと描写されており、画家の宗教画・神話画作品とはまた異なる、非常に世俗的な一面が表現されている。とはいえ、アンニーバレ・カラッチの特徴である独創性に溢れた大胆な構図や、人物の躍動感に富んだ描写など画家の良質な表現が随所に感じられ、この時代のボローニャ派を代表する風景画のひとつとして名を馳せた。

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【全体図】
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聖母被昇天 (Assunzzione della Vergine) 1587年
130×94cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)

17世紀ボローニャ派の巨匠アンニーバレ・カラッチが数多く残す宗教画の代表的作品のひとつ『聖母被昇天』。現在はプラド美術館が所蔵する本作の主題は、死した聖母マリアの魂が復活の後、再度肉体と共に昇天していく場面を描いた≪聖母被昇天≫で、カラッチの大きな特徴である古典様式からなる表現に、大胆な構図と躍動感に富んだ人体描写は、幾多も描いてきた同主題を扱う作品中、特に優れたものとして知られている。本作で聖母の魂と肉体の天上の光に包まれながら、天使たちに導かれる表現は古典主義的な規律と伝統的精神の安定性が示されながらも、全体的な構図から斜めに配されるなど、革新的な表現が為されている。また画面下部の聖ヨハネを始めとするキリストの弟子達の驚きの表情は、≪聖母被昇天≫の奇蹟を神格化するだけでなく、本作を見る者へ感情を刺激する深い要因のひとつとなっている。

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【全体図】
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ガレリア・ファルネーゼ天井装飾画 1597-1600年頃
(Fratelli di Catania)
2014×659cm | フレスコ | パラツィオ・ファルネーゼ(ローマ)

アンニーバレ・カラッチ最大の傑作『ガレリア・ファルネーゼ天井装飾画』。この古典主義的天井画の到来を告げたバロック絵画を代表する本作は、オドアルド・ファルネーゼ枢機卿の依頼によりパラツィオ・ファルネーゼの装飾画として描かれた作品で構成される数々の場面を通し全体で≪神の愛≫を賛歌し表現したものである。その表現は同時期に『聖マタイの召命』を始めとする連作を描きあげたカラヴァッジョの表現とは対極に位置し、軽快かつ陽気で色彩豊かな華麗な表現を見せている。これはミケランジェロによるシスティーナ礼拝堂天井画ラファエロガラディアの勝利に代表される古典様式、ティツィアーノコレッジョパルマ大聖堂天井画における色彩や構図等と、壮麗なバロック様式との融合を意味しており、17世紀美術の基盤ともなった。

関連:『バッコスとアリアドネの凱旋』部分
関連:『パンとディアナ』部分

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【全体図】
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エジプトへの逃避のある風景 1604年頃
(Paesaggio con la fuga in Egitto)
122×230cm | 油彩・画布 | ドーリア・パンフィーリ美術館

イタリア・バロックにおける古典的様式の始祖アンニーバレ・カラッチが描いた理想的風景画の代表作『エジプトへの逃避のある風景』。アルドブランディーニ枢機卿の依頼により、扉上部の飾りとして描かれた本作は、ユダヤ王ヘデロが命じたベツレヘムの全ての幼児殺害から逃れる為に聖母マリアと幼子イエス、夫の聖ヨセフがエジプトへと逃避する場面≪エジプトへの逃避≫を理想による風景画として描いたもので、アンニーバレ・カラッチ晩年期のメランコリックな雰囲気と左右対称の形状に近い構図が大きな特徴で、それは同時に巨匠ニコラ・プッサンが描くシンメトリックな風景を予感させるものであった。また同美術館所蔵の『キリストの十字架降下がある風景』は本作と対を為す作品。

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