Introduction of an artist(アーティスト紹介)
画家人物像
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アメデオ・モディリアーニ Amadeo Modigliani
1884-1920 | イタリア | エコール・ド・パリ




20世紀を代表するエコール・ド・パリの画家。エジプトやアフリカなどの原始美術と故郷イタリアに息衝くシエナ派など古典芸術の厳格性を融合させ、縦に引き伸ばされたかのような面長の顔とアーモンド形の瞳による独自の人物画を確立。類稀な造形性と抒情的で画家自身と同調するかのような独特な人物表現は以降の現代芸術に多大な影響を与えた。友人・知人、恋人などを描いた肖像画や裸婦像、少年・少女など子供を描いた作品がとりわけ有名であるが、数点の風景画も残されている。また画家は驚異的な集中力で作品を一気に仕上げる(早描き)ことが知られており、モデルを前に4時間足らずで作品を仕上げたとの逸話も残されている。1884年、イタリアのリヴォルノでスペイン系ユダヤ人の一家の息子として生まれる。一家は画家が生まれる直前に破産していたものの、裕福な叔父の援助により一家は経済的に安定していた。幼い頃から絵画に興味を抱いていたモディリアーニは生まれつき病弱体質で、1900年に肺結核により病気療養の為、フィレンツェ、ヴェネツィア、ナポリ、ローマなど気候の良い土地を巡る旅に出る。この芸術都市で触れたシエナ派など古典作品群から多大な芸術的影響を受ける。1901年、故郷リヴォルノを離れフィレンツェの裸体美術学校で学び始め、1903年から3年間、ヴェネツィアに滞在。同地でマッキア派や後期印象派、グスタフ・クリムトエドヴァルド・ムンクアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックなど象徴主義や分離主義などの作品にも強く惹かれる。1906年、羨望の地パリへと向かう。当初は、当時若い画家が数多く居住していたモンマルトルで活動するが、1909年からモンパルナスに拠点を移した。この頃、ジャン・コクトー、シャイム・スーティン、モイズ・キスリングなどエコール・ド・パリを代表する芸術家・画家たちや、パブロ・ピカソ、ディエゴ・リベラ、モーリス・ユトリロ、藤田嗣治など同時代を代表する画家と交友するも、キュビスムなど時代の先端をゆく絵画様式とは一線を画す独自の様式であったことや、自堕落な生活・態度であった為にパリの美術界で孤立し、長い間、異端として扱われた。1909年から1914年まで彫刻家ブランクーシの影響を受け、彫刻家として精力的に活動するも、重労働であることから病弱であったモディリアーニは体力的な面で彫刻活動を断念する。また1914年にベアトリス・ヘースティングスと知り合い、その後2年間、恋愛関係となる。1915年から本格的に絵画の制作活動をおこなう。画家(芸術家)としては依然として異端扱いされるものの、この頃に画家の独創的な肖像様式を確立。1917年、画学生であったジャンヌ・エビュテルヌと出会い、深い恋愛関係に落ちる。晩年期(1919年頃)にようやく画家として評価され始めたものの、結核性髄膜炎により36歳で夭折。恋人ジャンヌ・エビュテルヌも数日後に画家の後を追うように自殺。なお画家の作品は死後、急速に値段が高騰し、10年経過した1930年に開催されたヴェネツィア・ビエンナーレでの回顧展で、ようやく20世紀を代表する画家としての正当な評価を受けることになった。

Description of a work (作品の解説)
Work figure (作品図)
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背中を見せて横たわる裸婦

 (Nu couche de dos) 1917年
64.5×99.5cm | Oil on canvas | Barnes Foundation, Merion,

エコール・ド・パリの大画家アメデオ・モディリアーニの代表作『背中を見せて横たわる裸婦』。本作は、後に深い恋愛関係に落ちることになる画学生であったジャンヌ・エビュテルヌと出会い、画家として最も精力的に活動をおこなった時期である1917年に手がけられた作品であり、モディリアーニの代表的な裸婦作品はこの頃に集中して制作されている。非常にしなやかで官能的な肢体の曲線を露わにソファーに横たわる裸婦像はモディリアーニの裸婦の典型であるが、画家は同時期に、おそらくスペイン・バロック絵画の巨匠ディエゴ・ベラスケスによる傑作『鏡を見るヴィーナス(ロークビーのヴィーナス)』や、新古典主義の巨匠アングルの傑作『グランド・オダリスク』の構図に基づいた裸婦作品『右肩越しに見る裸婦』を手がけており、古典的な美と、『腕を広げて横たわる裸婦(赤い裸婦、クッションの上の裸婦)』などで示された古典的抑圧から開放された奔放な(女性)美との融合が見られる本作は、モディリアーニの裸婦作品の中でも特に注目すべき点のひとつである。また寝そべりながらも、画家の特徴的な表現のひとつであるアーモンド型の瞳の視線は、観者に向けられているのではなく、モデルと対峙することによる画家の自己反映とも解釈することができる。さらに本作の暖色を多用した怠惰的で退廃的な色彩表現や、画面左上から右下へと流れる裸婦の大胆な姿態や画面展開も、モディリアーニ独特の美的世界観の反映であり、本作の大きな見所である。

関連:『右肩越しに見る裸婦』
関連:『腕を広げて横たわる裸婦』

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【全体図】
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Work figure (作品図)


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