Description of a work (作品の解説)
2008/05/19掲載
Work figure (作品図)
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朝の化粧(化粧する女)

 (La Toilette) 1717年頃
46×39cm | 油彩・画布 | ウォーレス・コレクション(ロンドン)

ロココ美術の大画家アントワーヌ・ヴァトー作『朝の化粧(化粧する女)』。おそらくは1717年頃に制作されたと考えられている本作に描かれるのは、フランドル・ネーデルランド地方の伝統的な画題であり、18世紀フランスにおいて最も好まれた風俗的画題のひとつでもあった、侍女を伴い身支度(身繕い)をおこなうひとりの婦人である。画面中央では頬を紅潮させたひとりの婦人がベッドに腰を下ろしながら衣服(下着)を脱ぐ(又は着る)作業をおこなっており、その傍らでは侍女が婦人のための衣服を手にし立っている。ベッドの上には従順の象徴である一匹の愛らしい犬が婦人へと視線を向けるように描かれるほか、ベッドの上部には愛の神(又は愛の成熟)を象徴するキューピッドの装飾が施されており、このベッドの上で何が行われたかを観る者に想像させる。官能的な婦人の姿態や裸婦展開は17世紀フランドル絵画最大の巨匠ピーテル・パウル・ルーベンスからの、輝きを帯びた柔らかで豊潤な色彩はルネサンスヴェネツィア派の巨人ティツィアーノからの影響が指摘されているものの、卑俗な官能性に陥ることなく、あくまでも軽やかで気品高く、優雅な貴族階級の日常を映したかのような本作の雰囲気はヴァトーの絵画展開をよく表している。なお本作はかつて楕円形の額縁に入れられていた為、画面内にはその痕跡が明確に残されている(本作の楕円形の輪郭の外側部分は後世の画家による補筆である)。


【全体図】
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頬を紅潮させ身支度(身繕い)をする婦人。おそらくは1717年頃に制作されたと考えられている本作に描かれるのは、フランドル・ネーデルランド地方の伝統的な画題であり、18世紀フランスにおいて最も好まれた風俗的画題のひとつでもあった、侍女を伴い身支度(身繕い)をおこなうひとりの婦人である。



【頬を紅潮させ身支度をする婦人】
婦人の傍らに配されるひとりの侍女。官能的な婦人の姿態や裸婦展開は17世紀フランドル絵画最大の巨匠ピーテル・パウル・ルーベンスからの、輝きを帯びた柔らかで豊潤な色彩はルネサンスヴェネツィア派の巨人ティツィアーノからの影響が指摘されている。



【婦人の傍らに配されるひとりの侍女】
従順の象徴である一匹の愛らしい犬。ベッドの上には従順の象徴である一匹の愛らしい犬が婦人へと視線を向けるように描かれるほか、ベッドの上部には愛の神(又は愛の成熟)を象徴するキューピッドの装飾が施されており、このベッドの上で何が行われたかを観る者に想像させる。



【従順の象徴である一匹の愛らしい犬】

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