Description of a work (作品の解説)
2008/10/09掲載
Work figure (作品図)
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公園の集い(庭園での集い)


(L'Assemblée dans un parc) 1716-1717年頃
32.5×46.5cm | 油彩・板 | ルーヴル美術館(パリ)

18世紀初頭のフランスを代表する画家アントワーヌ・ヴァトーの典型的な作品のひとつ『公園の集い(庭園での集い)』。当時を代表するロココ様式の建築家ロベール・ド・コット氏の旧蔵品であった本作は、美しい風景が広がる公園(庭園)の中で複数の若い男女や子供らが戯れる情景を描いた作品である。画面前景右側には3組の男女が配されており、その中央では2人の男性がひとりの女性に言い寄っているが、当の女性は拒否の姿勢を示している。さらに画面前景中央には無邪気に(又は若い男女を真似するかのように)遊ぶ子供らが、そして画面前景左側には仲睦まじく公園(庭園)歩く男女が配されており、各所で享楽的な恋の駆け引きが繰り広げられている。これら画面中での連続的な演劇風物語の構成は、ヴァトー最大の代表作『シテール島への巡礼≪雅やかな宴≫』を予期させ、その関連性がしばしば指摘されている。また心地よいリズムで絶妙に配される各構成要素の計算された画面展開も見事であるが、本作での風景表現は画家の作品の中でも白眉の出来栄えを示している。画面左部分(歩く男女の組の上)に描かれる木々の間からこぼれる柔らかな陽光によって、鬱蒼と公園(庭園)内に茂る木々は透き通るような輝きを帯び、中景に広がる小池にはその様子が反射している。このような風景表現はヴァトーの典型的な表現であるが、本作の風景から醸し出される独特の叙情性や繊細な心理的感情性は観る者に深い感銘を与える。さらにそれらを強調する(これもヴァトーの大きな特徴である)やや遠慮的で憂鬱的な色彩表現なども特に注目すべき点である。


【全体図】
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仲睦まじい男女の姿。当時を代表するロココ様式の建築家ロベール・ド・コット氏の旧蔵品であった本作は、美しい風景が広がる公園(庭園)の中で複数の若い男女や子供らが戯れる情景を描いた、典型的な雅宴画作品である。



【仲睦まじい男女の姿】
言い寄る男性を拒否する若い女。各所で享楽的な恋の駆け引きが繰り広げられている連続的な演劇風物語の構成は、ヴァトー最大の代表作『シテール島への巡礼≪雅やかな宴≫』を予期させ、その関連性がしばしば指摘されている。



【言い寄る男性を拒否する若い女】
柔らかい陽光によって輝く風景。鬱蒼と公園内に茂る木々は透き通るような輝きを帯び、中景に広がる小池にはその様子が反射している。このような風景表現はヴァトーの典型的な表現であるが、本作の風景から醸し出される独特の叙情性や繊細な心理的感情性は観る者に深い感銘を与える。



【柔らかい陽光によって輝く風景】

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