Description of a work (作品の解説)
2008/03/02掲載
Work figure (作品図)
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無原罪の御宿り

 (Immaculate conception) 1734-1736年頃
378×187cm | 油彩・画布 | ヴィチェンツァ市立美術館

ロココ美術時代の巨匠ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロの代表的な宗教画作品のひとつ『無原罪の御宿り』。本作に描かれる主題は、最初は東方で唱えられ、神学者の間で盛んに議論された後、1854年にようやく公認されたという複雑な経緯によって制定された主題≪無原罪の御宿り≫で、画家は生涯の中で本主題の作品を数多く手がけており、本作はその中でも特に代表的な作例のひとつとして知られている。≪無原罪の御宿り≫は、神の子イエスの母である聖母マリアが、マリアの母(イエスの祖母)アンナの胎内に宿った瞬間、神の恩寵により原罪から免れたとする、原罪(性交)なしに生まれた汚れの無い存在でなければならないとする聖母の神性の主張によって制定された教義で、カトリック信仰の厚い国では人気の高かった(なおカトリックと対立していたプロテスタントは本主題で定義される聖母マリアの神聖的純潔性には否定的であった)。ルネサンス期のヴェネツィア派の巨匠パオロ・ヴェロネーゼの影響を感じさせる流麗で色彩豊かな装飾性は本作の大きな魅力のひとつである。また画家独自の軽快な筆触によって描写される、聖母マリアの身に着ける清潔な白地の衣服と青外套の輝きを帯びる光彩と反射の表現は、この幼き姿の聖母マリアの純潔性を良く示しているだけでなく、同時に≪無原罪の御宿り≫における浮遊感を強調する効果をも生み出している。

関連:プラド美術館所蔵 『無原罪の御宿り』


【全体図】
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幼い姿の聖母マリア。本作に描かれる主題は≪無原罪の御宿り≫で、通常、本主題を描く場合、天からアンナの胎内へ御宿りの観念を示すことから、聖母マリアは少女(子供)の姿で表現されているのが一般的である。



【幼い姿の聖母マリア】
輝きに満ちた聖母マリアの身に着ける衣服。聖母マリアの身に着ける清潔な白地の衣服と青外套の輝きを帯びる光彩と反射の表現は、この幼き姿の聖母マリアの純潔性を良く示しているだけでなく、同時に≪無原罪の御宿り≫における浮遊感を強調する効果をも生み出している。



【輝きに満ちた聖母の身に着ける衣服】
聖母の御足が乗せられる球体と上弦の月。≪無原罪の御宿り≫は、神の子イエスの母である聖母マリアが、マリアの母(イエスの祖母)アンナの胎内に宿った瞬間、神の恩寵により原罪から免れたとする、原罪(性交)なしに生まれた汚れの無い存在でなければならないとする聖母の神性の主張によって制定された教義である。



【御足が乗せられる球体と上弦の月】
聖母の周囲を軽やかに舞う天使たち。ルネサンス期のヴェネツィア派の巨匠パオロ・ヴェロネーゼの影響を感じさせる流麗で色彩豊かな装飾性も、本作の大きな魅力のひとつである。



【聖母の周囲を軽やかに舞う天使たち】

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