Description of a work (作品の解説)
2009/03/30掲載
Work figure (作品図)
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聖母被昇天

 (Assunta)
1900×1000cm | フレスコ
オラトリオ・デラ・ブリタ(ウーディネ)

ルネサンス期から続く黄金のイタリア絵画における最後の巨匠ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ晩年期の傑作『聖母被昇天』。ウーディネのオラトリオ・デラ・ブリタの装飾画として制作された本作に描かれる主題は、聖母マリアの死後、一度は魂が天に召されたものの3日後に地上に復活を遂げ、その肉体と魂が再び天上へと還る場面≪聖母被昇天≫で、本主題は主イエスの昇天に倣いながら、(聖母マリアに対する)より崇拝的な思想で取り組まれるのが大きな特徴である。聖母マリアは荘厳な光に包まれながら複数の有翼の天使によって天上へと登ってゆく姿で画面中央よりやや上部へ配されており、『聖シモン・ストックに現れる聖母子』など他の作品でも用いられる仰視法(ソッティンスー。極端な短縮法を用いて人物が上から観る者を見下ろしているかのように表現する描写法)を駆使することによって場面の高揚感と浮遊感を見事に表現している。さらにティエポロの最も得意としたフレスコによる軽やかで透明感のある清潔な色彩表現やドラマチックながら宗教主題としての精神性を同時に感じさせる画面構想や展開は、画家のフレスコ画作品の中でも特に優れた出来栄えを示している。


【全体図】
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天上へと昇天してゆく聖母マリア。本作に描かれる主題は、聖母マリアの死後、一度は魂が天に召されたものの3日後に地上に復活を遂げ、その肉体と魂が再び天上へと還る場面≪聖母被昇天≫である。



【天上へと昇天してゆく聖母マリア】
聖母マリアを天上へと導く有翼の天使たち。ティエポロの最も得意としたフレスコによる軽やかで透明感のある清潔な色彩表現やドラマチックながら宗教主題としての精神性を同時に感じさせる画面構想や展開は、画家のフレスコ画作品の中でも特に優れた出来栄えを示している。



【聖母を天上へと導く有翼の天使たち】
仰視法を用いて描かれる人物たち。聖母マリアは荘厳な光に包まれながら複数の有翼の天使によって天上へと登ってゆく姿で画面中央よりやや上部へ配されており、仰視法を駆使することによって場面の高揚感と浮遊感を見事に表現している。



【仰視法を用いて描かれる人物たち】

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