Description of a work (作品の解説)
2005/09/02掲載
Work figure (作品図)
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聖セバスティアヌス

 (San Sebastiano) 1480年頃
275×142cm | テンペラ・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

古代に対する深い考察を、独自の解釈と理解によって極めて高度な作品へと昇華させたマンテーニャの傑作『聖セバスティアヌス』。本作より10年から20年前に描かれたとされるウィーン美術史美術館版『聖セバスティアヌス』と比べ、古代建築物や背景(特に雲)など表現は、より硬質的で古代様式を思わせる画家独自の雰囲気で描かれ、杭(又は柱)に打ちつけられた後、矢を放たれた三人目のローマ聖人、聖セバスティアヌスの姿は後輪も薄くなるなど、より人間として自然に描かれている。これはマンテーニャが長い歳月をかけ持ち得てた古代や古典に対する深い考察に、独自の解釈と理解が加わることによって、すでに示されていた画家の独自性に理想美に富んだ想像性が生まれることになった。また、画面下部右に描かれる射手の表現にも、人間的な解釈が認められる。ウィーン美術史美術館版と並び、マンテーニャを語る上で欠かせない代表作のひとつとして、今日も高い評価を受けている。

関連:ウィーン美術史美術館版『聖セバスティアヌス』


【全体図】
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後輪も薄くなるなど、人間として、より自然に描かれた聖セバスティアヌス。また画面下部右に描かれる射手の表現にも、人間的な解釈が認められる。



【人間的に描かれた聖セバスティアヌス】
より硬質的で古代様式を思わせる画家独自の雰囲気で描かれた古代建築物や背景。マンテーニャが長い歳月をかけ持ち得てた古代や古典に対する深い考察に、独自の解釈と理解が加わることによって、すでに示されていた画家の独自性に理想美に富んだ想像性が生まれた。



【より硬質的に描かれた背景】

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