Description of a work (作品の解説)
2004/10/31掲載
Work figure (作品図)
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サン・ジョゼッペ祭壇画

 (Pala di San Giobbe) 1487年頃
471×258cm | 油彩・板 | アカデミア美術館

ヴェネツィア派の大きな作品的特徴ともなった、極めて縦長に伸びた構図で≪サクラ・コンヴェルサツィオーネ(聖会話)≫の主題を描く祭壇画の代表的な作品である、ジョヴァンニ・ベッリーニ中期の名作『サン・ジョゼッペ祭壇画』。中央の「玉座の聖母子」と、その下「奏楽する3人の天使」を配し、両脇に諸聖人を描き本作の主題である≪聖会話≫を表現した本作は、ルネサンス様式の基礎的要因のひとつである遠近法によってもたらされた空間的構造の高い構図の中に、深い精神性と内に秘めた感情までも表現された人物像が画面下部に配され、作品に高度な安定感と、祭壇画としての崇高的価値を示すなど、ジョヴァンニ・ベッリーニの卓越した仕事がよく表れているが、完成当初の姿より画面上部が切断されていることが認められている。また長い歳月のあいだ置かれた環境によって生じた作品の劣化も著しい。「玉座に鎮座する聖母マリアと幼子イエス」の下部に描かれた本作中で宗教的要因を示す≪奏楽する3人の天使≫である。画面左部分には左からフランシスコ会の創始者「聖フランチェスコ」、キリストの洗礼者としても名高い「洗礼者聖ヨハネ」、旧約聖書ヨブ記に登場する信仰心の深い擬人「聖ヨブ(ジョッペ)」の姿が、右部分には左からスペインに生まれた清貧を重んずるドミニコ会の創設者「聖ドミニクス」、三世紀末の古代ローマの近衛兵で、疫病に対する守護聖人でもある「聖セバスティアヌス」、ナポリ国王ロベール・ダンジューの弟で、1317年に聖人として認められた「聖ルイ」の姿が描かれた。


【全体図】
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ゴシック期より主題≪聖会話≫の最も典型的な構図であった様式的な厳粛性を持つ「玉座に鎮座する聖母マリアと幼子イエス」の構図。本作でも祭壇画としての崇高的な価値を示している。



【玉座の聖母マリアと幼子イエス】
上記の「玉座に鎮座する聖母マリアと幼子イエス」の下部に描かれた本作中で宗教的要因を示す≪奏楽する3人の天使≫。天使が弾いているのは、中世から一七世紀にかけて欧州で広く用いられた撥弦楽器のリュート。



【奏楽する3人の天使】
画面左に配される諸聖人たち。左からフランシスコ会の創始者「聖フランチェスコ」、キリストの洗礼者としても名高い「洗礼者聖ヨハネ」、旧約聖書ヨブ記に登場する信仰心の深い擬人「聖ヨブ(ジョッペ)」の姿が描かれた。



【画面左に配される諸聖人たち】
本作中右部に配される諸聖人たち。左からスペインに生まれた清貧を重んずるドミニコ会の創設者「聖ドミニクス」、三世紀末の古代ローマの近衛兵で、疫病に対する守護聖人でもある「聖セバスティアヌス」、ナポリ国王ロベール・ダンジューの弟で、1317年に聖人として認められた「聖ルイ」の姿。



【本作中右部に配される諸聖人たち】

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