Description of a work (作品の解説)
2007/04/06掲載
Work figure (作品図)
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灰色と黒のアレンジメント 第1番 画家の母の肖像


(Arrangement in Grey and Black: Portrait of the Painter's Mother)
1871年 | 144.3×162.5cm | 油彩・画布 | オルセー美術館

印象主義とは一線を画す孤高の画家ジェームズ=アボット=マクニール・ホイッスラーの最も知られる代表作のひとつ『灰色と黒のアレンジメント 第1番 画家の母の肖像』。本作に描かれるのは、画家の母アンナ・マティルダ・ホイッスラーの全身座像を真横から描いた肖像画で、ホイッスラーの母親に対する深い敬愛や情念が強く示されている。本作のモデルであるアンナ・マティルダ・ホイッスラーは、1804年ノースカロライナに生まれた敬虔なクリスチャンで、1864年から10年間ロンドンのホイッスラーと同居しており、本作はその頃に制作(制作期間は1871年の8月から10月の3ヶ月)された作品で、1872年にロンドンのロイヤル・アカデミー展示会で、翌年の1873年にパリの画商デュラン=リュエルの画廊で『灰色と黒のアレンジメント 第1番』の名称で展示されるも、特に反響を得るには至らなかった。この名称は画家が本作で示した色彩における調和性をより効果的に強調するために音楽用語を用い名付けたものである。さらに本作は母アンナ・マティルダ・ホイッスラーが英国のイースト・サセックス州にある同国の歴史上最も重要な町のひとつヘイスティングスで1881年に死去した後、1883年にパリのフランス美術家協会のサロンへ『画家の母の肖像』と名称を改め、再出品されると、大きな反響(3等を受賞)と批評を呼んだ。画家はミドルネームをアボットから母の旧姓であるマクニールへと変えるほど母を敬愛しており、本作の静謐で落ち着いた雰囲気や色彩、温和ながら抑制的で瞑想的な独特の表現などからもそれを窺い知れる。また後世の画家らに多大な衝撃を与え、強い影響を及ぼした、本作の座する母の真横からの肖像展開は、当初の予定では立像であったものの、健康状態が思わしくない母を考慮し、すぐに座像へと変更していることがX線の調査などからも明らかとなっている。


【全体図】
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信仰深いアンナ・マティルダ・ホイッスラーの横顔。本作に描かれるのは、画家の母アンナ・マティルダ・ホイッスラーの全身座像を真横から描いた肖像画で、ホイッスラーの母親に対する深い敬愛や情念が強く示されている。



【アンナ・マティルダ・ホイッスラーの横顔】
灰色や白黒色の調和的な表現。1872年にロンドンのロイヤル・アカデミー展示会で、1873年にパリの画商デュラン=リュエルの画廊で展示された本作の『灰色と黒のアレンジメント 第1番』という名称は画家が本作で示した色彩における調和性をより効果的に強調するために音楽用語を用い名付けたものである。



【灰色や白黒色の調和的な表現】
軽やかに描写される装飾的なカーテンの模様。ホイッスラーは自身のミドルネームをアボットから母の旧姓であるマクニールへと変えるほど母を敬愛しており、本作の静謐で落ち着いた雰囲気や色彩、温和ながら抑制的で瞑想的な独特の表現などからもそれを窺い知れる。



【軽やかに描写される装飾的な模様】

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