Description of a work (作品の解説)
2007/07/09掲載
Work figure (作品図)
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ノクターン ― 青と金、オールド・バターシー・ブリッジ


(Nocturne : Blue and Gold, Old Battersea Bridge)1872-75年
66.6×50.2cm | 油彩・画布 | テート・ギャラリー(ロンドン)

印象主義時代に活躍した画家ジェームズ=アボット=マクニール・ホイッスラーの代表作『ノクターン ― 青と金、オールド・バターシー・ブリッジ』。画家の有力なパトロンのひとりであったフレデリック・R・レイランドの依頼により制作された、ロンドンの情景を描いた作品≪ノクターン≫シリーズのひとつである本作は、ロンドンのテムズ川に架かるバターシー橋を描いたもので、屈曲する橋を部分的に捉え、下から見上げるという独特の構図展開や画面構成に日本の浮世絵からの影響が指摘されている。また複雑かつ多様な青色を基調とした単色的な色彩構成は、本作に付けられる名称≪ノクターン(夜想曲)≫の名に相応しい詩的で抒情的な印象を観る者に強く与える。この頃のホイッスラーは夜景の中の光と闇のし瞬間的な美しさの描写に強い関心を示しており、本作は良質な作例のひとつとして広く人々に認知されている。そして画面の中でアクセント的に煌く、黄色の光の粒の描写は、その瞬間的な美的描写の最も際立った表現のひとつでもある。なお本作の画題選択にはウォルター・グリーヴスからの影響の指摘されている。


【全体図】
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バターシー・ブリッジを行き交う人々。画家の有力なパトロンのひとりであったフレデリック・R・レイランドの依頼により制作された、ロンドンの情景を描いた作品≪ノクターン≫シリーズのひとつである本作は、ロンドンのテムズ川に架かるバターシー橋を描いたものである。



【バターシー・ブリッジを行き交う人々】
暗中に煌く黄色の光の粒の描写。本作の複雑かつ多様な青色を基調とした単色的な色彩構成は、詩的で抒情的な印象を観る者に強く与える。この頃のホイッスラーは夜景の中の光と闇のし瞬間的な美しさの描写に強い関心を示しており、本作はその良質な作例のひとつとして広く人々に認知されている。



【暗中に煌く黄色の光の粒の描写】
橋を下から見上げるという独特の構図展開。本作の屈曲する橋を部分的に捉え、下から見上げるという独特の構図展開や画面構成に日本の浮世絵からの影響が指摘されているほか、画題選択にはウォルター・グリーヴスからの影響の指摘されている。



【下から見上げる独特の構図展開】

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