Description of a work (作品の解説)
2007/08/28掲載
Work figure (作品図)
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蛇使いの女

 (La Charmeuse de serpents) 1907年
169×189cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

素朴派の巨匠アンリ・ルソーが手がけた傑作『蛇使いの女』。本作に描かれるのは1891年に始めて登場し、1905年以降にしばしば描かれるようになった密林の中で笛を奏でる≪蛇使い≫の女の姿である。印象的に輝く満月の光によって神秘的に照らされる蛇使いの女は、逆光によってそのふくよかな裸体のシルエットが浮き出るように描写されているものの、瞳だけが(本作を)観る者を見据えるかのように際立って怪しく輝きを帯びて描かれている。また蛇使いの女の肩や足元、密林の木々などに、女と同様シルエットのみが描かれる複数の大きな蛇を始め、梟や伽藍鳥(ペリカン)らしき鳥らが象徴的に配されている。植物の描写においても書籍や植物園で観察しながら己の頭の中で創り出した空想上の草木は、観る者を幻想的な世界へと誘うかのように独特な表現が示されている。しばしば魔術的とも比喩される本作のような世界観は画家アンリ・ルソーの最も大きな特徴のひとつであり、同時に最も注目すべき魅力のひとつでもある。


【全体図】
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観る者と対峙する蛇使いの女。印象的に輝く満月の光によって神秘的に照らされる蛇使いの女は、逆光によってそのふくよかな裸体のシルエットが浮き出るように描写されているものの、瞳だけが観る者を見据えるかのように怪しく輝きを帯びている。



【観る者と対峙する蛇使いの女】
蛇使いの女の笛の音に引き寄せられる蛇。蛇使いの女の肩や足元、密林の木々などに、女と同様シルエットのみが描かれる複数の大きな蛇を始め、梟や伽藍鳥(ペリカン)らしき鳥らが象徴的に配されている。



【笛の音に引き寄せられる蛇】
己の頭の中で創り出した空想上の草木。書籍や植物園で観察しながら己の頭の中で創り出した空想上の草木は、観る者を幻想的な世界へと誘うかのように独特な表現が示されている。



【己の頭の中で創り出した空想上の草木】

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