Description of a work (作品の解説)
2009/05/10掲載
Work figure (作品図)
■ 

森の中の浴女たち


(Bathers in the forest) 1897年
73.3×99.7cm | 油彩・画布 | バーンズ・コレクション

印象主義の画家の中でも特に名が知られる巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワールの代表作『森の中の浴女たち』。19世紀末に制作された本作は、画家が最も重要視していた主題であり、最も精力的に取り組んでいた創造力の源でもある≪裸婦≫の群像構成として制作された作品である。画家は本作を手がける以前から『岩に座る浴女』や『髪長き水浴の乙女(長い髪の浴女)』、そして『横たわる裸婦(泉)』など単身の裸婦作品を数多く手がけ(その最たる作品が『女性大浴女図(浴女たち)』である)ており、本作にはそれらの統合的作品としての意味合いだけではなく、さらにはそこからの発展を目指していることも見出すことができる。画面中央には小さな池に脚を入れ水浴を楽しむ若い裸体の女性らが配され、さらにその周囲には頭髪を整えたり、大地に寝そべるなど自由に過ごす裸婦たちが描き込まれている。本作に描かれる人物は楕円形状に配され、それぞれがひとつの個の要素として独立しているものの、視線や姿態などで互いの関係性を紐付けている。これら人物の群像構成には古典的な伝統性の側面も見出すことができるが、むしろ裸婦そのものの美しさや自然的官能性をより高位に表現しようとした結果であるとも考えられる。さらに本作で注目すべき点は色彩の多様的描写にある。裸婦の肌に用いられる輝くように陽光を反射する白く透き通った色彩と、本作の舞台である森林の強く苛烈的な印象を観る者に与える幻想的な色彩は裸婦(人間)と自然の溢れんばかりの生命力をも表現しているようであり、観る者の心象へ強く訴えかける。


【全体図】
拡大表示
水浴を楽しむ裸婦の輝くような肌の色彩。19世紀末に制作された本作は、画家が最も重要視していた主題であり、最も精力的に取り組んでいた創造力の源でもある≪裸婦≫の群像構成として制作された作品である。



【水浴を楽しむ裸婦の輝くような肌】
髪を整える裸婦の姿。本作に描かれる人物は視線や姿態などで互いの関係性を紐付けており、これら人物の群像構成には古典的な伝統性の側面も見出すことができるが、むしろ裸婦そのものの美しさや自然的官能性をより高位に表現しようとした結果であるとも考えられる。



【髪を整える裸婦の姿】
強く苛烈的な印象を観る者に与える幻想的な色彩。画家は本作を手がける以前から『岩に座る浴女』や『髪長き水浴の乙女(長い髪の浴女)』、そして『横たわる裸婦(泉)』など単身の裸婦作品を数多く手がけており、本作にはそれらの統合的作品としての意味合いだけではなく、さらにはそこからの発展を目指していることも見出すことができる。



【幻想的な色彩】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ