Description of a work (作品の解説)
2007/03/14掲載
Work figure (作品図)
■ 

ぶらんこ

(La balançoire) 1876年
92×73cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワール印象主義時代の代表作のひとつ『ぶらんこ』。画家随一の代表作『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』と同時期に描かれ、同作同様に印象派を代表する画家で友人だったギュスターヴ・カイユボットが、かつて所有していた本作は、当時ルノワールが借りていた家(コルトー街12番地)の≪ぶらんこ≫のある大きな庭園で過ごす人々を描いた作品で、主人公となる≪ぶらんこに乗る女≫は『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』にも登場する若き女優ジャンヌをモデルに描かれたと推測されている。本作でルノワールは木々の間から射し込み移ろう斑点状の木漏れ日の作用による光の変化や、補色的・対称的・相乗的な色彩描写の効果を追求しており、特に画面全体を覆う大きめの斑点状のやや荒いタッチによる光の効果的な描写は、今でこそ理解され観る者を強く魅了するものの、当時は類の無い表現手法から酷い悪評に晒された。この点描表現の先駆とも言える独特の表現は、当時ルノワールが追い求めていた(所謂正統的印象主義)表現の典型例のひとつであり、『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』同様、この時代の最も優れた作例のひとつとして広く認められている。またぶらんこの女の衣服の白色と青色、隣で背を向ける男の濃紺の衣服と黄色の帽子を始めとし、ぶらんこの女と背を向ける男、背を向ける男とその奥の男、背を向ける男と画面左端の幼児など色彩おいて補色性、対称性、相乗性など対比的色彩表現が示されているのも注目に値する。本作は当時、労働者階級にあった人々を描いた作品ではあるが、そこにあったであろう重々しく疲弊的な雰囲気は(本作には)一切感じられず、明るく愉快に過ごす人々の生や喜びを強く意識し描いたことは、ルノワールの絵画における信念や思想の表れでもあるのだ。


【全体図】
拡大表示
庭園内のぶらんこに乗る女。本作は、当時ルノワールが借りていた家(コルトー街12番地)の≪ぶらんこ≫のある大きな庭園で過ごす人々を描いた作品で、主人公となる≪ぶらんこに乗る女≫は『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』にも登場する若き女優ジャンヌをモデルに描かれたと推測されている。



【庭園内のぶらんこに乗る女】
斑点状のやや荒いタッチによる光の効果的な描写。本作でルノワールは木々の間から射し込み移ろう斑点状の木漏れ日の作用による光の変化や、補色的・対称的・相乗的な色彩描写の効果を追求しており、特に画面全体を覆う大きめの斑点状のやや荒いタッチによる光の効果的な描写は秀逸である。



【斑点状のタッチによる光の効果的描写】
本作に示される対比的な色彩表現。ぶらんこの女の衣服の白色と青色、隣で背を向ける男の濃紺の衣服と黄色の帽子を始めとした補色性、対称性、相乗性など対比的色彩表現が本作に示されているのも注目に値する。



【本作に示される対比的な色彩表現】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ