Description of a work (作品の解説)
2008/02/12掲載
Work figure (作品図)
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足を組む裸婦と帽子(ブロンドの髪の浴女、座る裸婦)


(Baigneuse aux cheveux dénoués) 1904-1906年
92×73cm | 油彩・画布 | ノイエ・ガレリー(ウィーン)

印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワール1900年代を代表する裸婦像作品のひとつ『足を組む裸婦と帽子(ブロンドの髪の浴女、座る裸婦)』。本作は1880年代後半以降、絵画制作で悩まされ続けることになった(1898年には右手の麻痺による二ヶ月以上、絵筆を握ることができなくなるまでに悪化したほか、その2年後には手や腕が変形してしまった)リューマチ性関節炎を患っていた画家が、その痛みに耐え、精力的に制作し続けた裸婦作品の中の一点である。質量に溢れた豊満な女性の肉体美、輝きを帯びた豊潤な色彩、流々と色彩が震えるようなルノワールの晩年期独特の筆触を予感させる光の表現などは、過去の印象主義的な表現からの確実な逸脱を示しており、それらはむしろ過去の偉大なる画家ティツィアーノルーベンスなど古典的様式を彷彿とさせる。そして何といっても、本作の少女のような裸体の女性が濡れた髪を掻き上げながら、足を組み己の柔軟で弾力性に満ちた豊満な身体を拭くという姿の類稀な官能性は、絵画、特に画家の裸婦に対する、衰えるどころか益々高まってゆく情熱と力強い信念の表れである。なおウィーン美術史美術館ノイエ・ガレリーに所蔵される本作以外にも、デトロイト・インスティテュート所蔵の『座る裸婦』など同時期に制作された同構図・同内容の作品が3点確認されているが、本作はその中で最も初期に制作された作品であると推測されている。

関連:デトロイト・インスティテュート所蔵 『座る裸婦』


【全体図】
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俯く裸体の少女の艶かしい視線。本作は1880年代後半以降、絵画制作で悩まされ続けることになったリューマチ性関節炎を患っていた画家が、その痛みに耐え、精力的に制作し続けた裸婦作品の中の一点である。



【俯く裸体の少女の艶かしい視線】
質量に溢れた豊満な女性の肉体美。質量に溢れた豊満な女性の肉体美、輝きを帯びた豊潤な色彩などは、過去の印象主義的な表現からの確実な逸脱を示しており、それらはむしろ過去の偉大なる画家ティツィアーノルーベンスなど古典的様式を彷彿とさせる。



【質量に溢れた豊満な女性の肉体美】
流々と色彩が震えるようなルノワールの晩年期独特の筆触を予感させる光の表現。ウィーン美術史美術館ノイエ・ガレリーに所蔵される本作以外にも同時期に制作された同構図・同内容の作品が3点確認されているが、本作はその中で最も初期に制作された作品であると推測されている。



【晩年期独特の筆触による光の表現】
裸体の少女の傍らに置かれる帽子。本作の少女のような裸体の女性が濡れた髪を掻き上げながら、足を組み己の柔軟で弾力性に満ちた豊満な身体を拭くという姿の類稀な官能性は、絵画、特に画家の裸婦に対する、衰えるどころか益々高まってゆく情熱と力強い信念の表れである。



【裸体の少女の傍らに置かれる帽子】

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