Description of a work (作品の解説)
2007/04/05掲載
Work figure (作品図)
■ 

赤い屋根、冬の効果(赤い屋根の家々、村の一角、冬景色)

 1877年 (Les Toits rouges, coin de village, effet d'hiver)
54.5×65.5cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象派の大画家カミーユ・ピサロの代表作『赤い屋根、冬の効果』。画家が1872年から住み、本作は80年代まで中心的画題であったセーヌ川下流オワーズ川流域のポントワーズの裏側にあるエルミタージュ地区の風景を描いた作品のうちのひとつで、原題は『赤い屋根の家々、村の一角、冬景色』とされる。カミーユ・ピサロは印象派の画家の中でも、最も戸外での制作を支持・推奨した画家の一人で、本作もエルミタージュ地区のコート・デ・パブ(牛の丘)まで赴き制作した。本作の画面中央部分に描かれる赤い屋根の家々は、エルミタージュ地区旧道の上方に位置する18世紀に建てられた農家で、背景の小高い丘の奥にはポントワーズの街が見える。≪赤い屋根≫と呼称されるゆえ、赤い屋根の家々部分に観る者はその観察を奪われがちであるが、前景に配された果樹園の木々が絶妙に観者の視界を遮り、視点が画面全体へとゆきわたるよう配慮がなされている。また大ぶりかつ大胆な筆触は、家々や木々、丘などに当たる柔らかで素朴な陽光の感覚を観る者に強く印象付ける効果を生み出している。やや小ぶりな画面ながら、細部の描写においても、また構成・色彩など全体的な完成度や観者の心象へ訴えかける高い表現力などから、本作は画家が描いたポントワーズ・エルミタージュの田園風景作品の中でも特に代表作とされている。


【全体図】
拡大表示
エルミタージュ地区旧道の上方に位置する18世紀に建てられた農家の赤い屋根。本作は80年代まで中心的画題であったセーヌ川下流オワーズ川流域のポントワーズの裏側にあるエルミタージュ地区の風景を描いた作品のうちのひとつである。



【18世紀に建てられた農家の赤い屋根】
観者の視界を絶妙に遮る果樹園の木々。≪赤い屋根≫と呼称されるゆえ、赤い屋根の家々部分に観る者はその観察を奪われがちであるが、前景に配された果樹園の木々が絶妙に観者の視界を遮り、視点が画面全体へとゆきわたるよう配慮がなされている。



【視界を絶妙に遮る果樹園の木々】
大ぶりかつ大胆な筆触。やや小ぶりな画面ながら、細部の描写においても、また構成・色彩など全体的な完成度や観者の心象へ訴えかける高い表現力などから、本作は画家が描いた同地近辺の田園風景作品の中でも特に代表作とされている。



【大ぶりかつ大胆な筆触】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ