Description of a work (作品の解説)
2007/02/26掲載
Work figure (作品図)
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睡蓮

(Nymphéas) 1916年
200.5×201cm | 油彩・画布 | 国立西洋美術館(東京)

印象派最大の巨匠のひとりクロード・モネが晩年期に手がけた最も有名な連作『睡蓮』。第一次大戦(1914-1918年)中に描かれた本作は、画家が1683年から借家で住み始め、1690年には買い取ったジュヴェルニーの自宅兼アトリエに造園した名高い庭園の池に浮かぶ睡蓮を連作的に描いた作品であるが、画家らしい移ろう水面やそこに反射する陽光の表現、色鮮やかな睡蓮や揺らめく水草の印象的な描写は、正にモネの『睡蓮』の名に相応しい素晴らしい出来栄えである。本作はモネと親交のあった松方幸次郎が、1916年から1923年にかけて日本の若い画家のために本物の西洋絵画を求め収集されたコレクション(松方コレクションと呼ばれる)の中の一枚で、1899年からモネは庭園の他のモティーフと共に『睡蓮』の連作を描き始めたことが知られているが、1910年代初頭には『睡蓮』のみの描写・表現に没頭していく。その中でも本作の水面に揺蕩う睡蓮の色彩、特に睡蓮の蕾に用いられた鮮やかな赤色や黄色や、強く筆跡が残された淡紅色や真紅などの暖色は、池の深淵な蒼色と互いに引き立て合い、美しさや刻々と変化する水面の動きや時間だけでなく、観る者に神秘的な印象すら与える。


【全体図】
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画家独特な睡蓮の葉の描写。本作の移ろう水面やそこに反射する陽光の表現、色鮮やかな睡蓮や揺らめく水草の印象的な描写は、正にモネの『睡蓮』の名に相応しい素晴らしい出来栄えである。



【画家独特な睡蓮の葉の描写】

水面に浮かぶ睡蓮の花。本作の水面に揺蕩う睡蓮の色彩、特に睡蓮の蕾に用いられた鮮やかな赤色や黄色や、強く筆跡が残された淡紅色や真紅などの暖色は、池の深淵な蒼色と互いに引き立て合い、美しさや刻々と変化する水面の動きや時間だけでなく、観る者に神秘的な印象すら与える。



【水面に浮かぶ睡蓮の花】

池に揺蕩う水草。本作は画家が1683年から借家で住み始め、1690年には買い取ったジュヴェルニーの自宅兼アトリエに造園した名高い庭園の池に浮かぶ睡蓮を連作的に描いた作品の中の一枚である。



【池に揺蕩う水草】

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