Description of a work (作品の解説)
2008/12/30掲載
Work figure (作品図)
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薔薇の庭から見たモネの家


(La maison vue du jardin aux) 1922-24年
89×92cm | 油彩・画布 | マルモッタン美術館(パリ)

印象派最大の巨匠のひとりクロード・モネ最晩年の作品『薔薇の庭から見たモネの家』。本作はモネが白内障の悪化により著しく視力を落した(後に手術によって回復)最晩年となる1922年から1924年に制作された≪画家の家≫を画題とした連作の中の一点である。画面左上に遠景としてモネのアトリエを兼ねていた邸宅の一部が見えており、前景には睡蓮の池と共に画家が愛して止まなかった薔薇の庭が画面を覆っている。画面上部の明度の高い黄色で描かれる部分が何を示すのかは明確ではないが、雰囲気や印象から夕暮れ(又は朝焼け)の陽光の眩い光を思わせる。本作の無秩序にすら感じられる奔放で抽象的な色彩による形態表現は、モネの視力の著しい低下が第一の原因であるものの、僅かに薔薇や邸宅など対象の固有の色彩を感じさせる画家独特の捉え方や幻想的描写にはモネの色彩に対する類稀な感覚と心象(又は内面)的精神性を感じることができる。なおモネはこの頃から晩年期までに、自身の邸宅を画題とした作品を19点制作しており、本作のような白内障を患っていた頃の作品としては全部で8点確認されている。

関連:別ヴァージョン 『薔薇の庭から見たモネの家』


【全体図】
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薔薇の庭から見えるモネの邸宅。本作はモネが白内障の悪化により著しく視力を落した(後に手術によって回復)最晩年となる1922年から1924年に制作された≪画家の家≫を画題とした連作の中の一点である。



【薔薇の庭から見えるモネの邸宅】
様々な草木に囲まれたモネの庭。前景は睡蓮の池と共に画家が愛して止まなかった薔薇の庭が画面を覆っているほか、画面上部の明度の高い黄色で描かれる部分が何を示すのかは明確ではないが、雰囲気や印象から夕暮れ(又は朝焼け)の陽光の眩い光を思わせる。



【様々な草木に囲まれたモネの庭】
多様な色彩を放つ薔薇の園。本作の無秩序にすら感じられる奔放で抽象的な色彩による形態表現は、特に僅かに薔薇や邸宅など対象の固有の色彩を感じさせる画家独特の捉え方や幻想的描写にはモネの色彩に対する類稀な感覚と心象(又は内面)的精神性を感じることができる。



【多様な色彩を放つ薔薇の園】

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