Description of a work (作品の解説)
2008/09/09掲載
Work figure (作品図)
■ 

アルジャントゥイユのモネの家の庭(ダリアの咲く庭)


(Le jardin de Monet a Argenteuil) 1873年
61×82.5cm | 油彩・画布 | ワシントン・ナショナル・ギャラリー

印象派の大画家クロード・モネ作『アルジャントゥイユのモネの家の庭(ダリアの咲く庭)』。本作は1871年末にアルジャントゥイユでモネが初めて借りた、サン・ドニ大通りとピエール・ギエン通りに面するセーヌ川近郊の家(モネの友人であったオーブリー=ヴィテ夫人所有の家)の庭を描いた作品である。モネはこの家に1874年まで滞在したが、本作では画家が庭に咲くキク科の多年草で縹色の種類が非常に豊富な≪ダリア≫に強い関心を寄せていたことが明確に示されている。画面中央から左側に描かれる赤色、桃色、橙色、黄色、白色、薄紫色など多様な色彩を奏でるダリアの群生は、眩い陽光を受け、色彩の洪水となり非常に複雑な表情を見せている。その形態もやや写実性が残るものの花のひとつひとつは隣り合う葉や茎などの白色に輝く緑色と対比し、画面の中で鮮やかに映えている。そして、この画面を覆うかのようなダリアの群生と対照的に空間が開放される画面右側部分には一組の男女が仲睦まじげにこの庭を散歩しており、観る者に幸福的な印象を与えている。さらに可視加減により鈍くグレイッシュな色彩で描かれる空と溶け合うかのような、画面中央やや右寄りの借家のおぼろげな表現など、本作の近景と遠景(背景)の絶妙な色彩感覚と繊細な調和性はモネ1870年代の作品の中でも特に優れた出来栄えを示しており、今なお人々を魅了し続ける。なおモネは本作以外にも『アルジャントゥイユのモネの家』などこの家を画題とした作品を複数制作している。

関連:シカゴ美術研究所所蔵 『アルジャントゥイユのモネの家』


【全体図】
拡大表示
非常に複雑な表情を見せるダリアの群生。多様な色彩を奏でるダリアの群生は、眩い陽光を受け、色彩の洪水となり非常に複雑な表情を見せており、その形態もやや写実性が残るものの花のひとつひとつは隣り合う葉や茎などの白色に輝く緑色と対比し、画面の中で鮮やかに映えている。



【複雑な表情を見せるダリアの群生】
仲睦まじい幸福的な一組の男女。可視加減により鈍くグレイッシュな色彩で描かれる空と溶け合うかのような、画面中央やや右寄りの借家のおぼろげな表現など、本作の近景と遠景(背景)の絶妙な色彩感覚と繊細な調和性はモネ1870年代の作品の中でも特に優れた出来栄えを示している。



【仲睦まじい幸福的な一組の男女】
モネが借りた家のおぼろげな表現。本作は1871年末にアルジャントゥイユでモネが初めて借りた、サン・ドニ大通りとピエール・ギエン通りに面するセーヌ川近郊の家(モネの友人であったオーブリー=ヴィテ夫人所有の家)の庭を描いた作品である。



【モネが借りた家のおぼろげな表現】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ