Description of a work (作品の解説)
2009/05/14掲載
Work figure (作品図)
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ナヴェ・ナヴェ・マハナ:かぐわしき日々


(Nave Nave Mahana (Jours délicieux)) 1896年
96×130cm | 油彩・画布 | リヨン美術館

後期印象派の画家ポール・ゴーギャン第2次タヒチ滞在期の代表作『ナヴェ・ナヴェ・マハナ:かぐわしき日々』。一度帰国したものの再び南国タヒチへと戻ってきた第2次タヒチ滞在期に制作された作品である本作は、現地の人々に取材した群衆的情景を描いた作品で、ゴーギャンのフリーズ(古代ギリシア・ローマ建築において石柱の上に置かれた「まぐさ石(アーキトレーヴ)」のさらに上へ乗せられる装飾が施された石材)風表現への探求が示されている。フリーズを連想させる横長の画面の中央へは現地の民族的な衣服を身に着けた5名の若い女性が配されており、各々が象徴的な姿態で立っている。ほぼ同様の髪型で自身の影も描かれない人物表現は絵画としての平面性がよく表れており、装飾的効果も高い。この女性らの中で最も注目すべき点は右から2番目に配される頭に花輪と赤い花柄のパレオを身に着けた少女にあり、ひとりだけ(あたかも強調するかのように)深い緑色の陰影に包まれるこの少女については、一部の研究者から愛娘アリーヌの肖像とする説も唱えられている。さらに5人の女性らの周囲には地面に座り込む3名の人物が配されており、立像と坐像の人物的対比が考慮されている。さらに背景や画面の構成要素として描かれる複数の細い木々や白い花、赤々とした平面的な大地そのものの色彩表現もゴーギャンの特徴が良く表れており、観る者の視線を惹きつける。


【全体図】
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画面前景に描かれる若い女性らの象徴的な姿。頭に花輪と赤い花柄のパレオを身に着けたひとりだけ(あたかも強調するかのように)深い緑色の陰影に包まれる少女については、一部の研究者から愛娘アリーヌの肖像とする説も唱えられている。



【若い女性らの象徴的な姿】
人物の絶妙な配置と姿態表現。フリーズを連想させる横長の画面の中央へは現地の民族的な衣服を身に着けた5名の若い女性が配されており、ほぼ同様の髪型で自身の影も描かれない人物表現は絵画としての平面性がよく表れているだけでなく、装飾的効果も高い。



【人物の絶妙な配置と姿態表現】
静かに瞳を閉じる人物。一度帰国したものの再び南国タヒチへと戻ってきた第2次タヒチ滞在期に制作された作品である本作は、現地の人々に取材した群衆的情景を描いた作品で、ゴーギャンのフリーズ風表現への探求が示されている。



【静かに瞳を閉じる人物】

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