Description of a work (作品の解説)
2008/09/14掲載
Work figure (作品図)
■ 

ジャワ女アンナ(アイタ・パラリ・テ・タマリ・ヴァヒネ・ジュディット)

 (Annah la Javanaise. Aita Tamari Vahina Judith te Parari) 1893-94年
116×81cm | 油彩・画布 | 個人所蔵(ベルン)

総合主義(サンテティスム)の創始者のひとりであり、後期印象派を代表する画家ポール・ゴーギャンの傑作『ジャワ女アンナ(アイタ・パラリ・テ・タマリ・ヴァヒネ・ジュディット)』。1893年の夏にタヒチからパリへと帰国したゴーギャンが同地で制作したと推測されている本作は習慣的に『ジャワ女』と呼称されているものの、描かれる人物については画商アンブロワーズ・ヴィラールの紹介で知り合った、セイロン出身の少女アンナ(当時13歳)であると考えられており、画家は1894年にパリのヴェルサンジェトリクス街に構えたアトリエで彼女と同居していたことが知られている。本作の原題となる『Aita Tamari Vahina Judith te Parari(アイタ・パラリ・テ・タマリ・ヴァヒネ・ジュディット)』の意味は「小娘ジュディットはまた汚れていない(処女である)」であり、ここにゴーギャンが本作へ込めた真の意図や本質的かつ皮肉的な象徴性を読み解くことができる。原題にある「小娘ジュディット」は画家の友人であった作曲家ウィリアム・モラールの(アンナと同年の)13歳となる義理の娘ジュディットであると推測されており、ジュディットは義父モラールを心から尊敬(崇拝)していた。純真性・処女性を強調したブルジョワ階級の都会的な娘ジュディットの名を原題に冠しながら、原始的な美しさを兼ね備えた同年齢のアンナを描くことによって、ゴーギャンは金銭以外に魅力と制作意欲を感じなかった都会への皮肉と(タヒチを見出した)己の美の信念を表したのだと考えられる。また本作に描かれるアンナの足元には(アンナのペットである)一匹の猿タオアが配されており、本作の異国性と象徴性を強調している。表現手法に注目しても構成的な平面性や水平・垂直性、鮮烈で刺激的な色面が強調される画面など本作から醸し出される総合主義独特の雰囲気や様式的特徴はこの頃制作された画家の作品の中でも特に優れた出来栄えを示している。


【全体図】
拡大表示
当時13歳となるセイロン出身の少女アンナ。習慣的に『ジャワ女』と呼称されている本作に描かれる人物については画商アンブロワーズ・ヴィラールの紹介で知り合った、セイロン出身の少女アンナ(当時13歳)であると考えられており、画家は1894年にパリに構えたアトリエで彼女と同居していたことが知られている。



【セイロン出身の少女アンナ】
肘掛に置かれるアンナの右腕。本作の原題となる『Aita Tamari Vahina Judith te Parari(アイタ・パラリ・テ・タマリ・ヴァヒネ・ジュディット)』の意味は「小娘ジュディットはまた汚れていない(処女である)」であり、ここにゴーギャンが本作へ込めた真の意図や本質的かつ皮肉的な象徴性を読み解くことができる。



【肘掛に置かれるアンナの右腕】
少女アンナのペットである猿タオア。純真性・処女性を強調したブルジョワ階級の娘ジュディットの名を原題に冠しながら、原始的な美しさを兼ね備えた同年齢のアンナを描くことによって、ゴーギャンは金銭以外に魅力と制作意欲を感じなかった都会への皮肉と己の美の信念を表したのだと考えられる。



【少女アンナのペットである猿タオア】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ