Description of a work (作品の解説)
2009/09/21掲載
Work figure (作品図)
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アレアレア

 (Arearea) 1892年
75×94cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

近代絵画様式の確立者のひとりポール・ゴーギャン、タヒチ滞在時の典型的な作例のひとつ『アレアレア(楽しみ、喜ばしさ、笑い話)』。本作はゴーギャンが1891年4月から1893年6月まで南国タヒチへ滞在した第一次タヒチ滞在期に制作された作品で、同地の牧歌的風景や生活と宗教的風習が画面の中に描き込まれている。前景には2人の若いタヒチの娘が1本の樹木の傍らで腰を下ろしながらゆったりと過ごしており、その中のひとりは目を瞑りながら細い縦笛を奏でている。また画面左下には一匹の神秘的な動物が配され、観る者に自然と人間の調和的世界観を明確に示している。さらに後景では現地ポリネシアに伝わる月の女神ヒナを順に礼拝する女たちが描かれ、同地の生活的風習と異国的情緒を見事に捉えることに成功している。本作で最も注目すべき点は、ゴーギャンのブルターニュ滞在期から取り組んできた総合主義的表現の昇華にある。輪郭線で囲んだ平坦な色面によって対象を構成するクロワゾニスム的手法を用いた対象要素や構造の単純化と象徴化は、本作では強烈な色彩による色面とその対比によって表されており、タヒチ独特の南国的(異国的)雰囲気や様子がよく伝わってくる。これらの色彩表現や構成的展開は当時のゴーギャンの大きな特徴であり、本作にはそれらを明確に見出すことができる。


【全体図】
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ゆったりと過ごす現地の若い娘たち。本作はゴーギャンが1891年4月から1893年6月まで南国タヒチへ滞在した第一次タヒチ滞在期に制作された作品で、同地の牧歌的風景や生活と宗教的風習が画面の中に描き込まれている。



【ゆったりと過ごす現地の若い娘】
自然と人間の調和を象徴する神秘的な動物。輪郭線で囲んだ平坦な色面によって対象を構成するクロワゾニスム的手法を用いた対象要素や構造の単純化と象徴化は、本作では強烈な色彩による色面とその対比によって表されており、タヒチ独特の南国的(異国的)雰囲気や様子がよく伝わってくる。



【自然と人間の調和を象徴する動物】
月の女神ヒナを礼拝する女たち。後景では現地ポリネシアに伝わる月の女神ヒナを順に礼拝する女たちが描かれ、同地の生活的風習と異国的情緒を見事に捉えることに成功している。



【月の女神ヒナを礼拝する女たち】

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