Description of a work (作品の解説)
2007/10/19掲載
Work figure (作品図)
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オペラ座の稽古場(ル・ペルティエ街のオペラ座のバレエ教室、踊りの審査)

(Foyer de la danse a l'Opéra de la Rue le Peletier (L'examen de danse)) 1872年
32×46cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象主義時代の大画家エドガー・ドガが踊り子を描いた作品の代表的作例のひとつ『オペラ座の稽古場』。『ル・ペルティエ街のオペラ座のバレエ教室』、又は『踊りの審査』とも呼称される本作は、エドガー・ドガが1860年代後半から19世紀末まで精力的に手がけた画題『踊り子』らを描いた作品の中の一点で、おそらく1873年、一時的に滞在していたアメリカへの渡航前に制作されたと考えられている。本作はバレエ教師(杖を床に突いた白い衣服の男)と、その隣の椅子に座るヴァイオリン奏者の前で踊り(又は振り付け)の練習を見せようとする踊り子の姿を描いた作品であるが、画面左部分に描かれる踊り子の演習直前の緊張感と、その周囲で彼女の演技に注目しながらも、それぞれ己の演習に備え(身体を)調整している姿の(ある種の)対比的かつ自然主義的な表現は、本場面となったル・ペルティエ街のオペラ座のバレエ教室で、このような情景が繰り広げられていたのだろうと推測するのが容易なほど秀逸の出来栄えである。また本作の画面中央に配される椅子とその上に置かれる赤色の扇や白色のリボンや、画面左部分奥で開放された隣の部屋の扉から微かに見える踊り子の脚など細かい部分での構成要素の計算された配置や空間構成にドガの類稀な画才を感じさせる。なお本作中、白い衣服を着たバレエ教師と、右側部分に描かれる踊り子に修正された痕跡が認められる。


【全体図】
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演習直前の緊張を感じさせる踊り子。『ル・ペルティエ街のオペラ座のバレエ教室』、又は『踊りの審査』とも呼称される本作は、エドガー・ドガが精力的に手がけた画題『踊り子』らを描いた作品の中の一点で、おそらく1873年、一時的に滞在していたアメリカへの渡航前に制作されたと考えられている。



【演習直前の緊張を感じさせる踊り子】
杖を床に突いた白い衣服のバレエ教師と、その隣の椅子に座るヴァイオリン奏者。画面左部分に描かれる踊り子の演習直前の緊張感と、その周囲で彼女の演技に注目しながらも、それぞれ己の演習に備え(身体を)調整している姿の(ある種の)対比的かつ自然主義的な表現は秀逸の出来栄えである。



【バレエ教師とヴァイオリン奏者】
計算された構成要素の配置。本作の画面中央に配される椅子とその上に置かれる赤色の扇や白色のリボンや、画面左部分奥で開放された隣の部屋の扉から微かに見える踊り子の脚など細かい部分での構成要素の計算された配置や空間構成にドガの類稀な画才を感じさせる。



【計算された構成要素の配置】

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