Description of a work (作品の解説)
2007/06/14掲載
Work figure (作品図)
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ベレッリ家の肖像

(La famille Bellelli) 1856-1860年
200×253cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象派の巨匠エドガー・ドガ初期の重要な作品『ベレッリ家の肖像(ベレッリ家の人々)』。本作はドガが1856年から1859年までイタリアのフィレンツェに住んでいた叔母ラウラ・ベレッリの家に滞在した時に描かれた作品である。(死去した祖父を偲び)喪に服すかのように黒服に身を包むラウラ・ベレッリは、祖父の素描的肖像画がかけられる壁の前に毅然と立ち、無表情に(又は無表情を装い)一点を見つめている。また画面左には母ラウラに寄り添うように立ち観る者と対峙している長女ジョヴァンナが、画面中央で椅子に座る次女ジュリアは父親の向いた姿で描き込まれている。ラウラと娘らの衣服に共通点や母と娘の関係性が見出せる一方、ナポリ貴族であった(ドガの叔父にあたる)ベレッリ家の長ジェンローナ・ベレッリはそれらと一線を画すかのように、黒色の椅子に座る後ろ姿で描かれている。またジェンローナ・ベレッリと他の家族(ラウラと娘たち)との間には空間的な隔たりも示されており、これは、この一家(狭義的にはラウラとジェンローナ)の間の愛情的な隔たりを意味している。このように、この一家の置かれる状況や、家族間の緊張感をまざまざと描き出した若きドガの辛らつで鋭敏な観察眼を如実に感じさせる本作は、画家初期における様式的特徴や表現手法を辿る作品であることのみならず、卓越した才能や性格的アプローチ、絵画に対する取り組み、姿勢が示された作品としても重要視されている。


【全体図】
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壁の前に毅然と立ち、無表情に一点を見つめる叔母ラウラ・ベレッリ。本作はドガが1856年から1859年までイタリアのフィレンツェに住んでいた叔母ラウラ・ベレッリの家に滞在した時に描かれた作品で、若きドガの鋭敏な観察眼が如実に示されている。



【無表情に一点を見つめる叔母ラウラ】
父親の方を向く次女ジュリア。画面左には母ラウラに寄り添うように立ち観る者と対峙している長女ジョヴァンナが、画面中央で椅子に座る次女ジュリアは父親の向いた姿で描き込まれており、ラウラと娘らの衣服に共通点や母と娘の関係性が見出せる。



【父親の方を向く次女ジュリア】
ベレッリ家の長ジェンローナ・ベレッリの姿。ジェンローナ・ベレッリと他の家族(ラウラと娘たち)との間には空間的な隔たりも示されており、これは、この一家(狭義的にはラウラとジェンローナ)の間の愛情的な隔たりを意味している。



【ベレッリ家の長ジェンローナ・ベレッリ】

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