Description of a work (作品の解説)
2007/04/01掲載
Work figure (作品図)
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アプサントを飲む人(カフェにて)


(L'absinthe (Dans un café)) 1876年
92×68cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象派の巨匠エドガー・ドガの代表作『アプサントを飲む人』。第2回印象派展(1876年)への出品を目指し制作されたものの完成に間に合わず、翌年開催された第三回印象派展に出品された本作は、画家の友人で女優のエレン・アンドレが、パリのカフェ≪ヌーヴェル・アテーヌ≫でアプサントと呼ばれる度の強い蒸留酒の水割りを飲む姿と、その傍らに彫刻家で禁酒主義者であったマルスラン・デブータンの姿を描いた作品で、ドガの辛辣で鋭敏な現実社会への観察が顕著に示されている。画家自身は印象派展出品当時『カフェにて』と呼称していた、エレン・アンドレの前にはアプサントが、(実際は飲酒しなかったが)マルスラン・デブータンの前にはコーヒーをベースにしたチェイサーが描かれている本作は、カフェ≪ヌーヴェル・アテーヌ≫における朝食時の日常の一場面であり、これらは当時のパリに蔓延し社会的な問題になっていたアルコール中毒が本作には克明に描写されたものである。しかし本作は公開当時、「不快極まりない下劣な絵」、「胸が悪くなる酔っ払いが描かれた不道徳な絵」など酷評を受けるものの、今日では画家はもとより印象派を代表する作品として広く知られている。また本作に用いられている写真を思わせるような唐突に切り取られた構図は画家の大きな特徴のひとつであり、本作の静寂感漂う気だるく憂鬱なパリの朝の雰囲気をより強調している。


【全体図】
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カフェでまどろむエレン・アンドレ。第三回印象派展に出品された本作は、画家の友人で女優のエレン・アンドレが、パリのカフェ≪ヌーヴェル・アテーヌ≫でアプサントと呼ばれる度の強い蒸留酒の水割りを飲む姿と、その傍らに彫刻家で禁酒主義者であったマルスラン・デブータンの姿を描いた作品である。



【カフェでまどろむエレン・アンドレ】
彫刻家マルスラン・デブータンの姿。ドガの辛辣で鋭敏な現実社会への観察が顕著に示されている本作はカフェ≪ヌーヴェル・アテーヌ≫における朝食時の日常の一場面であり、これらは当時のパリに蔓延し社会的な問題になっていたアルコール中毒が本作には克明に描写されたものである。



【彫刻家マルスラン・デブータンの姿】
当時しばしば飲まれたアプサント。本作に用いられている写真を思わせるような唐突に切り取られた構図は画家の大きな特徴のひとつであり、本作の静寂感漂う気だるく憂鬱なパリの朝の雰囲気をより強調している。



【当時しばしば飲まれたアプサント】

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