Description of a work (作品の解説)
2008/08/03掲載
Work figure (作品図)
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台所のテーブル(籠のある静物)

 1888-1890年頃
(Table de cuisine (Nature morte au panier))
65×81cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

近代絵画表現を開拓した後期印象派の偉大なる巨匠ポール・セザンヌが手がけた静物画の傑作『台所のテーブル(生姜壷のある静物、籠のある静物)』。ほぼ同時期に制作された『リンゴとオレンジ』と共に、セザンヌの静物表現におけるひとつの頂点を示す作品として広く知られている本作は、林檎や梨などの果物、白布、水差し、砂糖壷、生姜壷(瓶)、籠、木机など台所に置かれる様々な静物が構成された作品である。画面手前には雑然と白布が敷かれた長方形の木机の上に梨や林檎が個々個々に、その中央には蓋の付いた白陶器の水差しが、画面左側には砂糖壷が置かれている。また(観者からの視点による)机の右隅には白布と果物が入った大きな籠が配されているほか、その隣にはやや年期を感じさせる生姜色の壷(瓶)が描かれている(画家はこの生姜壷を画題として愛用した)。さらに画面左側から奥にかけては調理場など台所の様子が描き込まれている。画家の作品の中でも特に複雑で分裂的(分断的)な空間構成が示される本作の最も主対象となるテーブルとその上の静物は全体的にやや左へ傾くように描かれているほか、白布に覆われた木机の形状も矛盾が生じているなど、描く対象や空間的な正確性よりも、対象そのものの存在感や個としての形態表現、空間を超越した絵画としての調和性が重要視されていることがわかる。特に対象の形状や色彩のみに要点を絞って描写される梨などの果物や、斜めに大きく傾いた水差しや砂糖壷、他の静物と比較し明らかに高い視点で描かれる生姜壷(瓶)などの表現はセザンヌの静物表現とその様式の特徴を良く示しており、この革新的な対象表現は20世紀最大の天才画家ピカソを始めとした後世の画家たちに多大な影響を与えた。


【全体図】
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個々個々に表現される果物。セザンヌの静物表現におけるひとつの頂点を示す作品として広く知られている本作は、林檎や梨などの果物、白布、水差し、砂糖壷、生姜壷(瓶)、籠、木机など台所に置かれる様々な静物が構成された作品である。



【個々個々に表現される果物】
斜めに大きく傾いた砂糖壷。画面手前には雑然と白布が敷かれた長方形の木机の上に梨や林檎が個々個々に、その中央には蓋の付いた白陶器の水差しが、画面左側には砂糖壷が置かれているほか、机の右隅には白布と果物が入った大きな籠が、その隣にはやや年期を感じさせる生姜色の壷が描かれている。



【斜めに大きく傾いた砂糖壷】
高い視点から描写される生姜壷。対象の形状や色彩のみに要点を絞って描写される梨などの果物や、斜めに大きく傾いた水差しや砂糖壷、他の静物と比較し明らかに高い視点で描かれる生姜壷(瓶)などの表現はセザンヌの静物表現とその様式の特徴を良く示している。



【高い視点から描写される生姜壷】
白布と果物が入った大きな籠。テーブルとその上の静物は全体的にやや左へ傾くように描かれているほか、白布に覆われた木机の形状も矛盾が生じているなど、描く対象や空間的な正確性よりも、描く対象や空間的な正確性よりも、対象そのものの存在感や個としての形態表現、空間を超越した絵画としての調和性が重要視されていることがわかる。



【白布と果物が入った大きな籠】

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