Description of a work (作品の解説)
2011/07/20掲載
Work figure (作品図)
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十字架上のキリスト


(Crocifisso) 1300-1305年頃 | 430×303cm
テンペラ・板 | サン・フランチェスコ聖堂(リミニ)

14世紀イタリア絵画最大の巨匠ジョット・ディ・ボンドーネの代表作『十字架上のキリスト』。本作は画家がアドリア海に面する古都リミニへ滞在していた1300年から1305年頃の間に(おそらくは同地のサン・フランチェスコ聖堂のために)制作された、磔刑に処される≪主イエス≫を十字架形の板絵で表現した作品である。画面中央に配される受難者イエスの姿は当時のジョットの表現的特長であるやや彫刻的立体感を残しているが、印象としては苦痛と悲哀に満ちた主の姿というより、薄く微笑を浮かべるかのような独特の精神性の深度を見出すことができる。また本作は1934年に修復が施されているがそれまでの保存状態も良好で、生涯の中でその様式を多様に変化させたジョットの描写的特長を比較的強く見出せる点でも重要視されている。また本来、頂上部には≪祝福する贖罪主キリスト≫の板絵が配されていたが現在は散逸し、ロンドンの蒐集家ジェキル氏が所蔵されている。なお当初、制作年を1310年頃とする説も唱えられていたがジョットのリミニ滞在時期から現在はほぼ否定されている。


【全体図】
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精神性を感じさせる主イエスの表情。本作は画家がアドリア海に面する古都リミニへ滞在していた1300年から1305年頃の間に制作された、磔刑に処される≪主イエス≫を十字架形の板絵で表現した作品である。



【精神性を感じさせる主イエスの表情】
彫刻的表現を感じさせる描写手法。画面中央に配される受難者イエスの姿は当時のジョットの表現的特長であるやや彫刻的立体感を残しているが、印象としては苦痛と悲哀に満ちた主の姿というより、薄く微笑を浮かべるかのような独特の精神性の深度を見出すことができる。



【彫刻的表現を感じさせる描写手法】
比較的良好な保存状態。本来、頂上部には≪祝福する贖罪主キリスト≫の板絵が配されていたが現在は散逸し、ロンドンの蒐集家ジェキル氏が所蔵されている。



【比較的良好な保存状態】

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