Description of a work (作品の解説)
2005/12/24掲載
Work figure (作品図)
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真珠の耳飾りの少女(青いターバンの娘)


(Meisje met palel) 1665-66年頃
46.5×40cm | 油彩・画布 | マウリッツハイス美術館(ハーグ)

フェルメールの最も有名な作品のひとつで、北欧のモナリザと称される傑作『真珠の耳飾りの少女』。別名、青いターバンの娘とも呼ばれる本作において最も特徴的な、黒色で統一される背景に鮮明に浮かび上がる少女の瞬間的な表情は、見る者に極めて強烈な印象を与えている。これはレオナルド・ダ・ヴィンチラファエロも使用した、登場人物(本作では少女)の描写以外の絵画的構成要素を極力無くした暗中の背景とによって対象を一層際立たせる表現手法と、鮮明な光彩描写やターバンや衣服に用いられた黄色と青色による鮮やかな色彩のコントラスト、少女の振り向きざまの一瞬を捉えたかのような構図などとの相乗的効果によるところが大きい。また1882年のオークションでわずか2.5ギルダー(1ポンド以下)で売却された来歴を持つ本作の最も大きな謎のひとつである、『誰を描いたものであるか?』ということに対し、理想化された人物であるとする説や、フェルメールの娘のひとりを描いたものであるとする説など諸説唱えられているが、そのどれもが現在も確実な根拠を持つには至っていない。なお1668-69年頃に手がけられたと推測される本作と同様、人物の頭部を描いた作品『少女の頭部』がメトロポリタン美術館に所蔵されている。

関連:メトロポリタン美術館所蔵 『少女の頭部』


【全体図】
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非常に印象的な少女の視線。別名、青いターバンの娘とも呼ばれる本作の黒色で統一される背景に鮮明に浮かび上がる少女の瞬間的な表情と視線は、見る者へ強烈な印象を与える。



【非常に印象的な少女の視線】
作品名の由来となった真珠の耳飾り。以前は、この真珠の耳飾りには反射光は2点描かれていたが、おそらく過去の修復時に誤って付着した顔料の一片であることが1994年におこなわれた修復作業で判明し、現在は取り除かれている。



【作品名の由来となった真珠の耳飾り】
黄色と青色による鮮やかな色彩のコントラスト。本作では、暗中の背景色に、鮮明な光彩描写やターバンや衣服に用いられた黄色と青色による鮮やかな色彩のコントラスト、少女の振り向きざまの一瞬を捉えたかのような構図がとられている。



【黄色と青色による鮮やかなコントラスト】

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