Description of a work (作品の解説)
2005/10/31掲載
Work figure (作品図)
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東方三博士の礼拝

 (Adoracion de los Magos) 1619年頃
203×125cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)

ベラスケス初期の名作『東方三博士の礼拝』。かつてスルバランに帰属されていたこともある本作の主題は生誕したイエスを確認する為にベツレヘムの厩を訪れた三博士が、神の子の存在に礼拝する場面を描く≪東方三博士の礼拝≫で、画家の初期作品の大きな特徴である厳しい陰影法に基づく、客観的な写実性がよく示されている。本作の登場人物には三博士には師パチェーコや画家自身を、聖母マリアには師パチェーコの娘でありベラスケスの妻でもあるフアナ・パチェーコを、そして幼子イエスには画家の娘の面影を残すなど、ベラスケスの近親者が描かれた。このことからもわかるようベラスケスは本作のような宗教画を描くにあたっても、宗教的な表現を抑圧し、自由で現実を描くことに執着を見せている。また本作の違和感の感じる縦長の構図は、何らかの理由により完成後、左右のどちらか(あるいは両方)が切り取られた為である。


【全体図】
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自身の妻と子供の面影を残す聖母マリアと幼子イエスの姿。本作の主題≪東方三博士の礼拝≫は生誕したイエスを確認する為にベツレヘムの厩を訪れた三博士が、神の子の存在に礼拝する場面を描いたもので、祭壇画の基本的な主題のひとつ。



【妻と子供の面影を残す聖母とイエス】
パチェーコや画家自身を模した三博士の表現。ベラスケスは宗教画を描くにあたっても、宗教的な表現を抑圧し、自由で現実を描くことに執着を見せている。また初期作品の大きな特徴である厳しい陰影法に基づく客観的な写実性がよく示されている。



【師パチェーコや自身を模した三博士】

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