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homeページCollection常設展示バロック美術
Introduction of an artist(アーティスト紹介)

ベルナルド・ストロッツィ Bernardo Strozzi
1581-1644 | イタリア | バロック・ジェノヴァ派

17世紀に活躍したジェノヴァ派を代表する画家のひとり。フランドル絵画様式に倣うやや大まかで動きのある筆跡や、おおらかで調和を感じさせる色彩を、カラヴァッジェスキ派の様式など当時展開されていた様々な様式と組み合わせ独自の様式を確立。優雅で柔らかな人物像は故郷ジェノヴァで多くの支持を集めた。1581年ジェノヴァに生まれ、同地でシエナ派のピエトロ・ソーリに絵画を学ぶ。その為、この頃の作風はシエナ派のマニエリスム絵画的な様式が顕著に示されている。1598年カプチン会に修道士として入門するも、おそらく1610年頃までには還俗したと考えられている。1610年代は故郷ジェノヴァで巨匠ルーベンスヴァン・ダイクなどフランドル絵画や、オラツィオアルテミジアジェンティレスキ親娘のカラヴァッジェスキ派様式に強い影響を受けながら、自身の様式を形成していった。1630年代にはパルマ・イル・ジョヴァーネが没したヴェネツィアへ移住し作品制作をおこなうほか、同地最大の巨匠ティツィアーノなどヴェネツィア派の様式を研究した。


Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説)
【全体図】
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女料理人 (La cuoca) 1620年代
177×241cm | 油彩・画布 | パラッツォ・ロッソ美術館

17世紀ジェノヴァ派を代表する画家ベルナルド・ストロッツィ屈指の代表作『女料理人』。ジェノヴァのパラッツォ・ロッソ美術館に所蔵される本作は、貴族を始めとした権力者の下で仕事をおこなう≪女料理人≫を描いた17世紀イタリアを代表する風俗画で、フランドル絵画様式に学んだやや大ぶりで動きのある筆跡と、穏やかで調和性の高い落ち着いた色彩の中に深い陰影描写による劇的な場面表現が大きな特徴のひとつである。狩猟で捕らえられた鳥の羽を毟る作業をおこなっている女料理人は笑みを浮かべながら意味深げにこちらへ視線を送っており、画家特有の白い肌に赤みを帯びた頬が、より女料理人を印象的に見せている。また調理される鳥らや、画面中央やや左部分に配される銀の水差しなどに使用された様々な白色の表現は、ベルナルド・ストロッツィの高い表現力を示しているものであり、本作において大きな見所のひとつである。また画面右部分は白色を基調とし、左部分は吊るされる鳥の黒色や炎の暖色などを基調とするなど画面内で色彩による強いコントラストを示すことによって、乙張りの効いた画面を構成しているのである。

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【全体図】
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トビトの治癒 (The Healing of Tobit) 1635年頃
158×223.5cm | 油彩・画布 | エルミタージュ美術館

17世紀ジェノヴァ派を代表する画家ベルナルド・ストロッツィの代表作『トビトの治癒』。本作に描かれる主題は、裕福で信仰の厚かったトビトの目に燕の糞が入り盲目となるも、メディア人カバエルへ貸した金の返金を求め使いに出していた息子トビアが、案内人に扮した大天使ラファエロと出会い捕った魚の心臓で旅の途中、悪魔払いをおこない、返金が済み持ち帰った魚の胆汁でトビト失明が癒やすという旧約聖書に記される逸話≪トビトの治癒≫である。本作では盲目となったトビトの目に息子トビアが胆汁を塗り込み、傍らで大天使ラファエルや妻アンナらが見守るという主題に准じた場面展開がおこなわれるも、カラヴァッジェスキ派の劇的な明暗法や、微妙な中間色を多用しおおらかで調和を感じさせる色彩など画家独自の様式がよく示されている。また画面下右部の魚には、観る者へ恐怖心さえ抱かせるかのような表現が用いられている点など、本作の場面描写においてベルナルド・ストロッツィが優雅で柔らかな対象表現以外の表現を示していることは注目に値する。

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【全体図】
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貧者に施す聖ラウレンティウス
(San Lorenzo elemosiniere) 1639-40年
油彩・画布 | サン・ニッコロ・ディ・トレンティーニ聖堂

17世紀ジェノヴァ派の画家ベルナルド・ストロッツィの最も知られる傑作『貧者に施す聖ラウレンティウス』。本作に描かれる主題は、スペインのウエスカ(又はオスカ)に生まれた一世紀頃の聖人で、サラゴサで修学中、当時の教皇シクストゥスII世に見出され助祭司に就任し、同教皇が殉教する際に教会の財産を貧者へ分け与えるよう命じられ、聖ラウレンティウスが教会財産を貧者に施す場面≪貧者に施す聖ラウレンティウス≫で、ルーベンス17世紀のフランドル絵画に学んだ質量を感じさせる動的な筆跡と、ティツィアーノなどルネサンス期ヴェネツィア派から学んだ壮大で大作的な場面描写が大きな特徴である。この頃、ベルナルド・ストロッツィは同時期を代表するヴェネツィア派の画家パルマ・イル・ジョヴァーネが没したヴェネツィアへ移住し、ヴェネツィア派の様式を研究していたことが判明しており、本作にはその研究の成果が顕著に示されている。

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