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homeページCollection常設展示バロック美術
Introduction of an artist(アーティスト紹介)

オラツィオ・ジェンティレスキ Orazio Gentileschi
1563-1639 | イタリア | バロック・カラヴァッジェスキ一派

17世紀のイタリアで活躍したバロックの画家。金細工職人の家に生まれ、父や画家であった叔父など幼い頃から芸術に触れる。1570年代末頃にはローマへ向かい、先人カラヴァッジョ作品の影響に強い衝撃を受け、作風が激変、トスカーナ派伝統の線描様式に、陰影法と写実性を取り入れ独自の様式を確立、カラヴァッジェスキ一派となる。その後、ジェノヴァ、パリを経由し、ロンドンでチャールズ1世に仕え、数々の宗教画を制作。晩年には実娘アルテミジア・ジェンティレスキを呼び寄せ、共に制作活動をおこなう。現存する帰属が確実な作品数は約70点。


Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説)
【全体図】
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ユディトと召使い (Giudetta e la fantesca) 1611-1612年頃
127×147cm | 油彩・画布 | ヴァティカン宮美術館 絵画館

カラヴァッジョへの傾倒が強く示されるオラツィオ・ジェンティレスキ初期の作品『ユディトと召使い』。本作の主題はアッシリア王ネブカドネツァルの命により、軍を率いて侵攻する将軍ホロフェルネスに近づき、酔いつぶれたところをユディトが斬首、自身の住むベツリアの街を救う逸話≪ユディト≫で、カラヴァッジョの大きな特徴である暗中での劇的な場面描写をオラツィオ・ジェンティレスキが吸収し、ユディトがアッシリアの将軍ホロフェルネスを斬首する、静寂の中の強い警戒心と緊張感が存分に表現されており、本作の描かれた1612年頃以降、オラツィオ・ジェンティレスキは絵画を学んだ地、トスカーナ派伝統の線描様式に豊かな色彩を加え独自の様式へと発展させた。また、1938年に個人から教皇ピウス十一世へと寄贈されヴァチカン美術館所蔵となった本作は画家本人によるヴァリアントであると推測されており、原画となる同様の構図の作品はハートフォードのワズワース・アセニアム美術館が所蔵している。

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【全体図】
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リュートを弾く娘 (Suonatrice di liuto) 1615年頃
144×130cm | 油彩・画布 | ワシントン・ナショナル・ギャラリー

カラヴァッジェスキ一派の画家オラツィオ・ジェンティレスキの個性が示される風俗画の代表作『リュートを弾く娘』。本作は若きカラヴァッジョも制作している、当時最も一般的であった楽器のひとつ≪リュート≫の奏者を題材にし描かれた作品であるが、それまで示されていたカラヴァッジョの影響下を離れ、トスカーナ派伝統となる線描様式を取り入れ、優美で洗練されたオラツィオ・ジェンティレスキ独自の表現手法が用いられている。

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聖母子と聖クララ(Visione di santa Francesca)1615-19年頃
不明 | 油彩・画布 | マルケ国立美術館(ウルビーノ)

バロックの画家オラツィオ・ジェンティレスキが聖母子と聖人を主題に描いた代表的作品のひとつ『聖母子と聖クララ』。本作の主題は聖母マリアと幼子イエスに、13世紀アッシジの聖女聖キアラと天使を配した≪聖会話≫で、バロック特有の大胆な構図と厳粛かつ劇的な効果をもたらす光の表現を用いても、聖性を失わない諸聖人の深い感情表現と人物描写が大きな特徴である。本作に登場する≪聖キアラ≫とは、13世紀初頭(1212年とされる)にアッシジで聖フランチェスコの最初の女性の弟子となり、女子修道院を建設するほか、1241年にサラセン軍(異教徒)に修道院を包囲された際、病床の身体をおし聖体顕示台で祈りを捧げ、異教徒を退ける伝説や、死後、その肉体を戴冠処女に金色の外套で包まれる間に聖母マリアが降臨し、魂を昇天させた逸話が残る聖女で、聖クララとも呼ばれる。

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ロトと娘たち (Lot e figlie) 1621年頃 | 120×168cm
油彩・画布 | ティッセン=ボルネミッサ・コレクション

カラヴァッジェスキ一派の巨匠オラツィオ・ジェンティレスキの代表作『ロトと娘たち』。本作は旧約聖書よりアブラハムの一族に救われたロトが、自身の娘らと住んでいた山中で、酒に酔わされ交わり子を授かってしまう場面≪ロトと娘たち≫を典拠に描かれたもので、安定的な構図に高い写実性と豊かな色彩による場面描写は、この不貞の場面に潜むロトの聖性を表現するとともに、激変をみせた同時期の画家の作風が如実に示されている。

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受胎告知 (Annunciazione) 1622-1623年
286×196cm | 油彩・画布 | サバウダ美術館(トリノ)

17世紀イタリアの画家オラツィオ・ジェンティレスキの最も著名な代表作『受胎告知』。本作の主題は、大天使ガブリエルが聖母マリアへ父なる神の意志である聖胎を告げる場面で、幾多の画家が手がけた≪受胎告知≫であるが、画家の様式の基礎要因であるトスカーナ派伝統の線描様式にカラヴァッジョの影響である深い陰影法と写実性によって強烈な個性と優れた技量を発揮し、本主題の持つ聖性を損なうことなく、ドラマティックで、感情に溢れた表現をおこなっている。画面右上には光射す窓から聖霊が写実的に描かれ、父なる神の意志を告げると共に、本場面の高い聖性を保つ存在として重要な役割を果たすほか、聖母の背景の大部分を占める鮮やかな赤地の布は、自然と見る者の目を惹きつけ、同時に劇的な場面である興奮性を担っている。

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エジプトへの逃避途上の休息 (Riposo nella fuga in Egitto)
1625-1628年頃
139×217cm | 油彩・画布 | ウィーン美術史美術館

オラツィオ・ジェンティレスキの代表作『エジプトへの逃避途上の休息』。同じくウィーン美術史美術館に所蔵される『悔悛するマグダラのマリア』と対をなす作品として描かれた本作の主題は、ユダヤの王ヘデロが命じたベツレヘムに生まれる全ての幼児の殺害から逃れる為に聖母マリアと幼子イエス、夫の聖ヨセフがエジプトへと逃避する場面を描いた≪エジプトへの逃避途上の休息≫で、カラヴァッジョに大きく影響された高い写実性と自然的な描写によって表現された本作は英国王チャールズ1世の招聘を受けバッキンガム公の為に制作された当時より高い評価を得て、同作品を複数制作している(ルーヴル美術館、ポール・ゲッティ美術館、バーミンガム美術館などが所蔵)。

関連:ルーヴル美術館版『エジプトへの逃避途上の休息』

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川から救われるモーセ (Mose salvato dalle acque)
1629-1630年頃 | 120×168cm | 油彩・画布 |
プラド美術館(マドリッド)

オラツィオ・ジェンティレスキ晩年期の名作『川から救われるモーセ』。本作の主題は、イスラエル人が増えすぎたファラオの赤子殺害の命令から、葦舟に乗せてナイル川に流された幼児モーセをファラオの王女に発見される場面≪川から救われるモーセ≫でオラツィオ・ジェンティレスキらしい美しい情緒的な風景や、トスカーナ派伝統の線描様式と、陰影法と写実性を取り入れた独自の様式によって描かれる登場人物たちの描写は、この旧約聖書の重要で聖性著しい場面を、見事に表現している。

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