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作品イメージ
homeページCollection常設展示バロック美術ピーテル・パウル・ルーベンス (Rubens,Peter Paul)
Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説) 2006/01/20掲載
【全体図】
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ヴィーナスの饗宴 (The Feast of Venus Verticordia)
1630年代後半
277×350cm | 油彩・画布 | ウィーン美術史美術館

ルーベンスの古典と神話への深い造詣が示される代表的作品『ヴィーナスの饗宴』。本作は三世紀に制作された書物フィロストラトスによる≪イマギネス≫の中の、ニンフが建設したヴィーナス像の周りで、林檎を取りながら戯れるキューピッドを典拠とし描いた作品である。画家が最も芸術的霊感を受けていたヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノによって描かれた本主題をルーベンスは自由な描写による模写で1630年代に一度描いており、本作はその発展形とも呼べる作品で、古代ローマの文筆家オウィディウスの≪祭暦≫より毎年4月におこなわれるローマの女たちによる祭事『ウェヌス・ウェルティコルディア祭(心を変えるヴィーナスの祭り)』の描写を加えて、より豊かで愛と豊穣に満ちた晩年期のルーベンスの精神性が示されている。各部分にはウェヌス・ウェルティコルディア祭で登場する人妻、花嫁、娼婦が、それぞれ中央のヴィーナス像を清める女性と像の前で香を焚く女性、右端から人形(処女性を示す)を捧げに訪れた女性、ヴィーナス像に最も近寄り、鏡を捧げようとする女性として描かれている。また≪イマギネス≫の林檎は様々な果実に変更されより豊穣を表現し、おそらくルーベンスの妻エレーヌ・フールマンをモデルに描かれた左端のニンフを始めとする大勢のニンフやサテュロスの舞踏は、愛と美の戯れを示しているとされている。

関連:ティツィアーノ作『ヴィーナスへの捧げもの』
関連:ルーベンスによる模写『ヴィーナスへの捧げもの』


【愛と美を象徴するヴィーナス像】
愛と美を象徴するヴィーナス像。本作は三世紀に制作された書物フィロストラトスによる≪イマギネス≫の中の、ニンフが建設したヴィーナス像の周りで、林檎を取りながら戯れるキューピッドを典拠とし描いた作品。

【人妻を表す像の前香を焚く女性】
人妻を表すヴィーナス像を清める女性と像の前香を焚く女性。画家が最も芸術的霊感を受けていたヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノによって描かれた本主題を、ルーベンスは自由な描写による模写で1630年代に一度描いている。

【花嫁を表す人形を捧げに訪れた女性】
花嫁を表す人形を捧げに訪れた女性。人形は子供の玩具であることから処女性を示すとされている。また、人妻、花嫁、娼婦は祭事『ウェヌス・ウェルティコルディア祭(心を変えるヴィーナスの祭り)』の登場人物である。

【娼婦を表す鏡を捧げようとする女性】
ヴィーナス像に最も近寄り、鏡を捧げようとする女性は娼婦を表している。『ウェヌス・ウェルティコルディア祭』とは古代ローマの文筆家オウィディウスの≪祭暦≫の中に記述される、毎年4月におこなわれるローマの女たちによる祭事。

【様々な果実を手にするキューピッド】
様々な果実を手にするキューピッド。≪イマギネス≫を典拠とし描いたティツィアーノの『ヴィーナスへの捧げもの』に比べルーベンスによる模写作品は林檎の数が多くなっており、平和の象徴である豊穣は、晩年のルーベンスにとって欠かせない主題のひとつでもあった。

エレーヌ・フールマンがモデルのニンフ】
ルーベンスの妻エレーヌ・フールマンをモデルに描かれたとされるニンフ。大勢のニンフやサテュロスの舞踏は、愛と美の戯れを示しているとされている。
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