Description of a work (作品の解説)
2010/06/16掲載
Work figure (作品図)
■ 

オアンネス

 (Oannès)
1910年頃 | 45.5×31.5cm | パステル・紙
国立クレラー=ミュラー美術館(オッテルロー)

フランス象徴主義の巨匠オディロン・ルドンの代表作『オアンネス』。ルドンの晩年期に制作された本作は、同時代を代表するフランスの小説家ギュスターヴ・フローベールの戯曲的小説≪聖アントワーヌの誘惑≫に登場する半人半魚(人頭魚身)のカルデア神≪オアンネス≫を画題に制作された作品で、ルドンは黒の時代から度々この主題に取り組んでいる(※ルドンは≪聖アントワーヌの誘惑≫に着想を得た石版画集を3度も刊行している)。オアンネスは古代バビロニアへ文字や科学など文明を伝えた神であるとされ、フローベールの戯曲的小説≪聖アントワーヌの誘惑≫では「我は混沌の最初の意識であり、形体を定めるために深淵から来た」と記されるよう、混沌の中で生命に姿形を与える役割を担う存在として書かれている。画面中央よりやや右側上部へ配されるカルデア神≪オアンネス≫は思慮深く瞑想するかのように瞳を閉じ、殆ど無表情の姿で夢想的な混沌空間内へ存在している。画面下部には浜辺を連想させる風景の中で古代生物を彷彿とさせる奇怪的な生命体が多様な色彩で描写されており、オアンネスによって形を与えられた生命体は観る者へ強烈な印象を残すほどの存在感を放っている。本作の極めて幻想的で奇奇怪怪な世界観や色彩には画家の想像性が顕著に示されており、ルドンの深い精神世界を強く感じることができる。


【全体図】
拡大表示
瞑想的なオアンネスの姿。本作は同時代を代表するフランスの小説家ギュスターヴ・フローベールの戯曲的小説≪聖アントワーヌの誘惑≫に登場する半人半魚(人頭魚身)のカルデア神≪オアンネス≫を画題に制作された作品で、ルドンは黒の時代から度々この主題に取り組んでいる。



【瞑想的なオアンネスの姿】
形を与えられた生命体。オアンネスは古代バビロニアへ文字や科学など文明を伝えた神であるとされ、小説≪聖アントワーヌの誘惑≫では「我は混沌の最初の意識であり、形体を定めるために深淵から来た」と記されるよう、混沌の中で生命に姿形を与える役割を担う存在として書かれている。



【形を与えられた生命体】
海辺を連想させる情景。画面下部には浜辺を連想させる風景の中で古代生物を彷彿とさせる奇怪的な生命体が多様な色彩で描写されており、オアンネスによって形を与えられた生命体は観る者へ強烈な印象を残すほどの存在感を放っている。



【海辺を連想させる情景】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ