Description of a work (作品の解説)
2009/07/08掲載
Work figure (作品図)
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黄道十二宮

 (Zodiac) 1896-97年
66.5×48.2cm | リトグラフ | 所蔵先複数

アール・ヌーヴォー様式の大巨匠(作家)アルフォンス・ミュシャ随一の代表作『黄道十二宮』。本作は印刷業者であるシャンプノアの依頼により制作されたカレンダーの意匠が基となった作品で、≪黄道十二宮≫が意匠のモチーフとされている。本作は画面中央に天使階級第二位に位置する智天使ケルビムが配された特別仕様版(装飾パネル)であり、ミュシャの代表作として必ず名を挙げられるほど著名な作品としても知られている。本作に描かれる智天使ケルビムはほぼ真横から捉えられており、顔面部分のみが写実的に、髪の毛や髪飾り部分はやや単純化された表現にて描写されている。さらにその周囲へは天球上における太陽の(見かけ上の)通り道である≪黄道≫を12等分して、左から牡羊座、牡牛座、双子座、蟹座、獅子座、乙女座、天秤座、蠍座、射手座、山羊座、水瓶座、魚座と十二星座が当てはめられており、意匠として大変素晴らしい調和を生み出している。そして画面全体はアール・ヌーヴォー様式の典型となる曲線を多用した植物的モチーフに彩られ、観る者に心地良い印象を与えることに成功している。本作で最も注目すべき点は、やはり全体の調和性と≪黄道十二宮≫をモチーフとした高度なデザイン性にあり、特に各構成要素の基本形となる円の連続性を計算した配置のバランス感覚や、智天使ケルビムの頭髪の毛先との呼応などはミュシャが手がけた他の作品としても突出した完成度を示しており、今なお観る者に強い感動を与える。なお本作に用いられた≪黄道十二宮≫はカレンダー以外にもポスター、装飾パネルなど様々な展開で用いられた。


【全体図】
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写実的な顔面の描写と様式化された装飾性。≪黄道十二宮≫が意匠のモチーフとされている本作は、画面中央に天使階級第二位に位置する智天使ケルビムが配された特別仕様版(装飾パネル)であり、ミュシャの代表作として必ず名を挙げられるほど著名な作品としても知られている。



【写実的な顔面の描写と様式的装飾性】
意匠化された頭髪の毛先。智天使ケルビムの周囲へは天球上における太陽の通り道である≪黄道≫を12等分して、左から牡羊座、牡牛座、双子座、蟹座、獅子座、乙女座、天秤座、蠍座、射手座、山羊座、水瓶座、魚座と十二星座が当てはめられており、意匠として大変素晴らしい調和を生み出している。



【意匠化された頭髪の毛先】
本作のモチーフとなった黄道十二宮。本作で最も注目すべき点は、やはり全体の調和性と≪黄道十二宮≫をモチーフとした高度なデザイン性にあり、特に各構成要素の基本形となる円の連続性を計算した配置のバランス感覚や、智天使ケルビムの頭髪の毛先との呼応などはミュシャが手がけた他の作品としても突出した完成度を示しており、今なお観る者に強い感動を与える。



【本作のモチーフとなった黄道十二宮】

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